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公聴会における「すいた市民環境会議」の発言
                             (2002年11月29日)

 

 吹田貨物ターミナル駅(仮称)建設事業に係る環境影響評価の見解書は1700頁を超えるものであり、縦覧期間中にそのすべてに目を通すことができませんでしたが、その中で今年3月に提出しました、すいた市民環境会議の「準備書についての意見書」に対する見解について意見を述べます。

 《貴重な動物について》では、特に鳥類について、事業に伴いその逃避先が想定されています。今後我々も観察していきたく思います。

 《地球環境について》施設での太陽光発電装置の設置は難しいと回答されています。 また《ゼロエミッションについて》は努力目標とするとされています。JR貨物はそのホームページで「環境を考えれば鉄道輸送」と謳っています。地球温暖化防止のため企業としてのJR貨物は率先して本業以外でも「できるところから始める」という姿勢を持って下さることを期待します。吹田市民は今、本気で市内の廃棄物減量に取り掛かっているのです。

 《ヒートアイランドについて》の項目はアセス対象ではなかったようで明快な回答が見られません。今年9月には内閣、国土交通省、経済産業省、環境省はヒートアイランド対策関係府省連絡会議を設置しました。また、国土交通省自身も今年8月に省内でヒートアイランド対策連絡会議を立ち上げたように、ヒートアイランド現象は都市の重要な課題です。現在は草地である操車場跡地が全面的なコンクリートやアスファルトになったときの気温上昇をシュミレーションして予測値を出してください。なお、今後定期的な気象観測などを検討していただきたく思います。

 さて、《貨物専用道路についての提案》のうちAB案である『貨物専用道路の出入口を城東貨物線の西側に設けてほしい』という提案に対しては、その設置が困難であることが明快な論旨で説明されており、納得できました。

 しかし城東貨物線の西側に1車線のみを設け、吹田市内の一般道の通行量を半分とするCDE案については『基本協定で自動車道の運行経路は、新御堂筋から庄内新庄線、十三高槻線を経由すると定めておりこれを遵守する』ため認められないと回答されています。

 この回答はAB案に対する見解と比較すると、明快な論旨ではありません。

 基本協定を作成した会議で今般我々が提案したCDE案は検討されたのでしょうか。この案も含めて検討の結果、基本協定ができたのであれば納得します。もしそうであれば、CDE案を否決した理由やその際の議事録を開示して下さい。

 CDE案は、庄内新庄線や十三高槻線の通行量が半減する案です。この地域への環境影響が半減する案です。さらにトンネルの幅が半減することにより工事費も軽減される案でもあるのです。

 基本協定を作成した会議でCDE案が検討されていなかったとすれば、これを却下する根拠として『基本協定』を持ち出すことは理不尽です。当時の会議では検討されていない、より良い手段がみつかれば、古い規約、つまり基本協定は見直されるべきであり、新たな案を却下する判断基準にはならないと考えます。

 以上のように我々のCDE案を『基本協定を遵守する』の一言で却下されることには納得できません。準備書に示された鉄建公団側の貨物専用道路案の方が、我々の提示したCDE案よりも環境への負荷が少ないのか多いのかという基準で判断するべきであります。勿論コスト意識も必要でしょうが。

 ここで新たな修正案ですが、我々のC−3案では城東貨物線の西側を「出口」としていますが、ここを「入口」とする方が、通行車両は左折するだけとなり交通がスムーズになるでしょう。

 つぎに「不測の事態のために2車線が必要である」と回答されています。これはD案(穂波町・泉町・西の庄町にある現在の法面の雑草を温存して頂きたい)やE案について言及されていると解釈します。法面を温存しつつ緊急時には車両のすれ違いが可能な道路幅員を確保することは可能ではないでしょうか。

 蛇足ながら最後の提案ですが、JR吹田駅付近での地下道は不要ではありませんか。この部分は貨物線をくぐるものですが、踏切で十分であると考えます。その理由はこの踏切を通過する自動車の運転手が初心者を含む不特定多数の人ではないからです。ここを踏切にすればトンネルでの坂道がなくなり排ガスは減少し、かつ工事費用が大幅に削減されるはずです。その場合踏切ではメロード住民などへの配慮から警報音は用いず、光や電波などで運転手に警報を知らせる手段を採ってください。

 すいた市民環境会議は当初から地上13mのトラック専用高架道路に対し地平案を提示するなど、市民への環境影響を軽減し、かつ鉄建公団の出費も抑える案を考え、提案して参りました。

 この公聴会の意見などを審議なさる吹田市環境審査会の皆さま、そして最終決定者である吹田市長は、「住民への被害の軽減」ということを最優先課題として今後の審査をしていただくようお願いしますことを申し添えて、すいた市民環境会議の意見発表を終えます。

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