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 吹田貨物ターミナル駅(仮称)建設事業に係る環境影響評価書についての意見書
                             (2005年3月23日提出)

 

【はじめに】
  すいた市民環境会議(以下、当会)は2002年3月20日に吹田貨物駅(仮称)建設事業の環境影響評価準備書(以下、準備書)についての意見書を提出しました。そして2002年11月29日には公聴会で「すいた市民環境会議」の意見を述べました。

 今回の吹田貨物ターミナル駅(仮称)建設事業に係る環境影響評価書(以下、評価書)にはその項目に対する事業者の見解が記されています。しかし公聴会で述べた内容に対して事業者の見解が記載されていないことは残念です。

 これらを踏まえ、吹田市民環境会議から評価書についての意見を述べます。また環境影響評価の範疇を超える意見も述べますが、これは事業者に対する意見であるとともに、吹田市長に対する意見でもありますので、環境審査会委員各位にも十分なるご理解を賜りたいと考えています。


 【1】当会は当初から「吹田貨物駅から西進する自動車専用道は南清和園に出ることなく西進しつづけ、神崎川を渡って庄内新庄線に降りること(文末図・点線ルート)」を提案してきました。

今回の評価書では当会の提案に対する事業者の見解で、吹田貨物駅に出入りする貨物関連自動車の運行経路については、基本協定書第2条第3項において「吹田貨物駅に出入りする貨物関連自動車の運行経路は、国道423号線から都市計画道路庄内新庄線、十三高槻線及び貨物専用道路を経由して、吹田貨物駅に至る経路を基本とする」と定めており、これを遵守すると記載しています(評価書503頁)。つまり当会の提案を「基本協定書を遵守する」という理由で却下しています。

 評価書にある貨物関連自動車の運行経路は平成10年(1998年)9月20日に内本町コミニティーセンターで開催された当時の鉄建公団・JR貨物の「貨物駅住民説明会」で説明を受けた時と同一です。当時の貨物関連自動車道案は高架道路でありました。当会はその説明会で「南清和園で十三高槻線に出ず、そのまま神崎川を渡ることができないか」と質問しました。その時の事業者からの回答は「神崎川を渡るには高架道路の橋脚を設ける必要があり、一級河川に新たな橋脚設置は河川管理上、法的にも困難である。」というものでした。

 しかし平成13年(2001年)12月に提出された準備書では、4本ある貨物鉄道線路のうち一本を廃線としそこに平地で走る貨物関連自動車道路を設けるものになりました。当会は「貨物線が一本廃線されるのならば、神崎川を渡る現存する鉄橋を貨物関連自動車が通行することが可能となる」と考え、準備書に対する意見書で、上記「吹田貨物駅から西進する貨物関連自動車道路は南清和園に出ることなく西進しつづけ、神崎川を渡って庄内新庄線に降りること」を提案したのでした。

 その回答が「基本協定を遵守する」ということでした。しかしそれではアセスの基本である「状況の変化に対応」しているとは言えません。
 回答の根拠とした基本協定では「現存の貨物鉄道線路を廃線とし、貨物関連自動車道路にする」ことは検討されていなかったからです。
 基本協定第8条第2項には、この協定に定めのない事項又はこの協定に関して疑義が生じたときは、大阪府、吹田市、摂津市、鉄道公団及びJR貨物が協議の上、これを定めるものとするとあります。

 当会からの案のように「新たな橋脚を建てることなく、現存する鉄橋で神崎川を渡る」という、協定に定めない事項が提案されたのですから協議の再開をお願いします。その際、大阪市も協議に入っていただきたく必要が生じましょう。なぜならば東淀川区で新たな道路取り付け工事が必要となりますから。

しかし基本協定書第1条第5項で「JR貨物は、梅田貨物駅に残る貨物については、大阪市内で取り扱うものとする」としているのですから、当事者の大阪市が協議に参加することは必定と考えます。



【2】2002年11月29日に公聴会で「すいた市民環境会議」の意見として述べた「貨物専用道路のうちJR吹田駅付近を地下道にせず踏切にする」という提案(評価書566頁、下から13行目)に対する回答がありません。繰り返しますが、この部分に踏切を設けても、通過する自動車の運転手は初心者を含む不特定多数の人ではなく、踏切事故の発生確率は限りなくゼロに近いであろうと考えられます。ここを踏切にすればトンネルでの坂道がなくなり自動車からの排ガスは減少し、かつ工事費用が大幅に削減されるはずです。その場合踏切ではメロード住民などへの配慮から警報音は用いず、光や電波などで運転手に警報を知らせる手段を採ってください。

 事業者も敢えて吹田市民に環境負荷をかけることは望んでおられないと確信します。
このように吹田の環境に負荷をかけず、しかも二カ所のトンネル工事の必要がなくなることにより工事費が安くなる(であろう)当会の案を受け止め、協定内容を再考していただきたく考え、当会の意見書とします。


 高架道案が地平案となった現在、既存の鉄橋で神崎川を越えることができます。
  貨物自動車は敢えて南清和園町町から市内に出る必然性がありません。 

 

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