ねぎの歴史
ユリ科の宿根草。ネギの原産地は中国西部あるいはシベリアとされています。
中国では紀元前から栽培され、華北では太ネギ(白ネギ)が栽培され、華中、華南では、葉ネギが主に栽培されていたらしいです。
ヨーロッパには16世紀の末、アメリカには19世紀に伝わったそうですが、アメリカではすでにタマネギが広く普及していたためあまりポピュラーな野菜として認知されなかったようです。
日本には奈良時代にはすでに伝えられていたらしく、平安時代には重要な野菜のひとつとなっていたようです。ネギの古い呼び名は「キ(葱)」であり、根の発達が目立つため「ネギ」の名が付いたらしいです。
ねぎの種類
ネギには、各地の気候風土に合わせた数多くの品種が生まれました。
大きく分けると、葉ネギ(緑の葉の部分が多く葉から根まで食べられるもの)と根深ネギ(根本に土寄せして軟化栽培して、白根だけを食べるもの)に分けられます。
ちなみに京都の伝統野菜・九条ネギは葉ネギ。加賀ネギ(石川)、千住ネギ(東京)、下仁田ネギ(群馬)は根深ネギ。万能ネギは葉ネギの短いものです。
九条ねぎ
九条ネギは奈良時代前半から京都で栽培され、江戸時代に京都市南区九条付近が一大産地となり、名前が定着しました。
耐暑性があり、栽培するのに京都に適しており、現在も同市南部から桂川周辺で栽培が盛んです。
小ねぎ
九条ネギを若採りしたのが「博多万能ねぎ」(これは小ネギの一種でブランド名です。)関東地方に小ネギの著明度を上げた張本人だそうです。
この出荷を契機に、高知、大分、静岡、千葉、さらに東北・北海道などに関東出荷のための大きな産地が作られ、それ以降地場消費も増えて行きました。
葉ねぎ
葉ねぎは一年中出回りますが、とくに春と秋に葉が柔らかい時期があり、この時期が葉ネギの旬の時期とされます。
また、葉ネギには緑葉の部分にはビタミンC・A・B1・B2・カロチンなどが多く、その他にカルシウムやカリウムなどのミネラル分も多く含まれている栄養食品です。
太ネギと比べると、緑葉の部分が多い葉ネギの方が栄養的に優れていると言うことになるでしょう。
根深ねぎ
葉ねぎに比べると栄養的には劣っている根深ネギですが、根深ネギには特有の刺激臭を出す硫化アリルやアリシンという部質が軟白部分に存在します。
主な効果としては、殺菌効果や抗菌効果があり、(魚などの生ものの嫌な匂いを消す。)また、身体を温める効果、(昔からいわれる風邪の予防。)や血液をサラサラにする効果(血栓の予防効果。)があります。また、消化液の分泌を促し、体内でビタミンB1と結合してその吸収力を助けます。(食欲を増進と、エネルギーの基礎代謝を促進して疲労回復等の効果。)等、身体の機能助ける働きが非常に多く含まれています。
地域の違い
昔から「関東の白ネギ、関西の葉ネギ」と言われるネギの食文化が形成されていました。
これにはさまざまな理由が考えられますが、関東は関西より冬の寒さが厳しいので、耕土が深いことを利用して、株元に土寄せをして栽培する太ネギの栽培が主流となり、また関西は冬の寒さも緩く、冬でも成長をする葉ネギが中心に栽培されるようになったと言うのが一般的です。
出回り時期
通年を通して出回るが、特に出荷の多い時期は、6月~9月。