はくさいの歴史
西洋のキャベツに対して、東洋を代表する野菜です。ちなみに白菜の英名は「Chinese-cabbage」中国キャベツと言います。余談ですが、国際的な野菜の統計ではキャベツのグループに属されるようです。
葉は、お互いに抱き合うように重なり合い、大きくなるに連れて軸の白い部分が太く伸びるため日本では「白菜」と呼ばれるようになりました。
はくさいの特徴
北アメリカ原産で古代インディアンが大切なエネルギー源として食していたようです。現在もアメリカ北東部から、フロリダ・テキサスなどの土地に広く自生しています。日本には明治時代頃に青森のりんご農家が苗木を北米より輸入した際、苗木の土の中に混ざって日本に渡来したといわれています。
白菜が結球する理由
白菜にはおおよそ80~100枚程の葉があり、その葉一つ一つに『オーキシン』と呼ばれる植物ホルモンの一種が含まれています。
葉の表面に日の光が当たると、これらの物質は葉の裏側に移動をして、その周辺の細胞を大きく成長させる効果を持っているので、その結果白菜の葉は地面より立ち上がって丸くなります。
また、結球をして重なり合った白菜の内側の葉は、寒くなるに連れて成長が止まり、よく締まった白菜ができます。
養生三宝
白菜は、大根・豆腐に並び『養生三宝』と呼ばれ、精進料理には欠かせない商材です。
旬の時期
白菜の出荷時期は、10月~2月の時期の寒くなる時期で、特に寒くなると葉の糖分も増え、霜にあたることで、白菜の繊維質が柔らかくなるなど、冬を代表する野菜です。
しかし、最近では春から夏にかけて、冷涼地や高原地帯での栽培も盛んに行われるようなり、市場には一年を通して出荷されるようになりました。
主な栄養価と効果
白菜の成分は、全体の95%が水分で構成されていますので、カロリーも低く、肥満や高血圧防止などに効果があります。
白菜に含まれている栄養素ではビタミンCが多く、特に外側の葉に多く、次に中心部分周辺の葉に含まれています。
その他に、カリウム・マグネシウム・カルシウム・亜鉛・食物繊維なども多く含まれています。
白菜の種類
アブラナ科アブラナ属の野菜で、キャベツと同じように、結球する品種と結球しない品種があり、主要栽培品種だけでも、150種類以上もあります(一般的に日本で白菜と呼ばれるものは、結球または半結球するタイプがほとんどです。)
円筒形
葉先がしっかり重なり合い、どっしりした円頭形の結球白菜です。内側の葉が黄色みを帯びて肉厚で柔らかい黄心型は、現在の日本でもっとも流通している主流品種です。
砲弾形
先端部分が重なり合わない抱合形の、砲弾のように尖った結球白菜です。内側の白い軟白型は減少しています。よく漬物用として使われることが多いです。
半結球形
形状は、胴部がしっかりと締まっていて、葉先に向かうに連れて広がっています。特徴として葉の肉質は柔らかく日持ちが比較的するので、主に漬物用として用いられます。関東地方で広く栽培されていましたが最近は栽培量が減少しています。
たけのこ白菜
日本ではあまり市場に出回っていませんが、中国では60センチ以上ある大型で細長の竹の子白菜が、葉の肉質が固く非常に一般的のようです。
ちなみに長円筒形の形状でたけのこに似ている為この名前がついたようです。
ミニはくさい
最近の小人数家庭向けに開発された小型の白菜です。大きさは大体1キロ前後で、内部は濃黄色で、通常の白菜と味などはほとんど同じです。
へアレス白菜
葉の表面に毛の少ない白菜で、中国の南部から台湾などで一般的に流通しています。水分量が多くて柔らかく、サラダなどの生食向きです。日本では余り流通していません。
山東菜
結球しても、葉先が開き気味のものや、半結球のもの、若取りのもの等、色々あります。その中でも東京の荒川や江戸川周辺で栽培されている「べか菜」は有名です。その他、地方によって様々な栽培品種が存在します。
選び方のポイント
手に持って、ズシリと重量感があり、白菜の巻きがしっかり締まっているもので、黄ばみや変色が少なく、根元部分の切り口が変色していない新鮮なものを選びましょう。
カットされて売っている場合は、切断面の盛り上がっていないものは比較的新鮮です。(白菜は、カットされた後も成長し続けるので、時間がたつと切断面が盛り上がってきます。)