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吹田操車場跡地貨物ターミナルについての質問・要望と提言

                                                  1999.10.19 
吹田市長  阪口 善雄 様 
                                              すいた市民環境会議
  吹田操車場跡地貨物ターミナルについての質問・要望と提言                                     
 市長にご就任以来5ヶ月、市長としてのご苦労が多いことと存じます。 
 そのようななか、さらにご心労をおかけしなければならないのは心苦しいのですが、吹田操車場跡地の問題は今後の吹田市に、かつてない大きな影響を与える事柄ですので、市長として慎重に、市民が納得するまで、最大の努力を払われますようお願いします。 

 吹田市議会は平成10年3月議会で「旧国鉄吹田操車場等の跡利用に関する要望決議」の第二項で「環境を悪化させない対策を十分講じること」と決議され、それに基づき岸田前市長は平成11年1月、国鉄清算事業団などとの協定書に調印しました。 

 我々市民は今年夏からの鉄道建設公団などの住民への説明会で初めて貨物ターミナルに関して、以下のことを知らされました。

・トラックの出入口が南清和園の一カ所のみである。
・10m以上の高さのトラック専用高架道路が約3km建設される。 

 協定書には「専用道路を作る」とあるだけです。 何故、出入口が南清和園の一カ所で、しかも高架道路が盛り込まれたのかが不明瞭です。 

 エネルギー負荷、景観など環境に配慮されている案とはいえません。特に高架道路は、景観を半永久的に改善不可能にするものです。 

 議会の「環境を悪化させない対策を十分講じること」との議決にも関わらず、市は何故この鉄道建設公団の案を了承したのか了解しかねます。前市長は退任が決まった後、この協定書に調印なさいましたが、新市長はこの案を良しとなさるのですか。 

 今議会での市の答弁を聞いていますと、鉄道建設公団の意見を伝えているだけで、市の環境に対する考えがわかりません。さらに、説明会で出た住民からの質問への回答がないまま、説明会が終了するのであれば、従来の説明会と何ら変わりません。 

 すいた市民環境会議は 

・トラックの出入口を分散させ、公害およびエネルギー負荷を軽減させる必要があると考えます。 

・現在上下二本存在する「梅田貨物線」は(ダイヤ変更などJR西日本の協力が必要でしょうが)全廃ないし単線運転が可能であると考えられ、それにより、トラック専用道路は高架にせずとも大部分が現在の鉄道線路を地面のまま利用でき、景観の悪化が軽減すると考えます。しかも建設費の削減にもなりましょう。 

・景観上、21世紀の吹田の玄関に「万里の長城」まがいの高架道路を作らないようにすることが、今日の政治家である市長に与えられた使命ではないでしょうか。 
 将来のJR貨物の取扱量は減少すると考えられています。万里の長城だけが残ったということにしないで下さい。 

 そこで以下のことを質問・要望します。 

1)協定書には「専用道路を作る」とありますが、交渉過程で何故出入口が南清和園の一カ所になったのですか。 

2)高架道路と平成10年3月の市議会決議との整合性はとれていますか。 

3)現在の「梅田貨物線」をトラック専用道路にするよう鉄道建設公団等と再度交渉することを要望します。 

4)今なら、高架道路を作らずに済ます方策が考えられます。政治家・阪口善雄としての見解をお伺いします。 

5)説明会で出た住民からの質問への回答がない現在、鉄道建設公団等に更なる説明会を要請することを要望します。 

 以上、市長のお考えを知りたく思い、質問しました。なお、ご多忙中とは存じますが、11月18日までに回答をお願いします。 
 


  市長からの回答  

                                 11吹市広第1171号 ・ 平成11年12月24日(1999年)
  回答 

1)現在の鉄道敷地内を通り、現状の道路状況から一般道路への負荷や大阪市内へ、できるだけ短時間で円滑に抜けるルートなどの前提条件から、現在の十三高槻線に接道し大阪市内へアクセスする案が最終案として示されたものでございます。 

2)当初の全面移転の計画を2分の1に縮小することなど、正式申し入れの内容を遵守したなかで、とくにアクセス道路の取り付け口付近の環境対策については、環境影響評価調査を行い、必要な対策を講じることとしているものです。この事につきましては、今後、日本鉄道建設公団が市条例に基づく貨物駅の移転計画に関する環境影響評価のなかで、議会決議に沿った環境対策について具体化されるものと考えております。 

3)梅田貨物駅の機能の2分の1移転時以降は貨物列車本数が半減するのに伴い、梅田貨物線の線路容量的に現在よりは余裕ができるが、安治川口駅対応のみならず『特急はるか』や『特急くろしお』が使用しており、運行頻度等から必要であると考えています。また、将来計画の対応が不透明であること等から、ご提案の内容については現時点では判断できないと鉄道公団から回答を得ておりますが、今後とも鉄道公団、JR貨物に検討させて参りますのでご理解賜りますようお願い申し上げます。 

4)高架道路の構造につきましては、今後、鉄道公団が実施いたします環境アセスメント調査を行うとともに環境対策を検討する中で、環境アセスメントの評価結果から最終的な判断を行いたいと考えております。 

5)説明会は、本年1月20日に締結しました『梅田貨物駅の吹田操車場跡地への移転計画に関する基本協定書』に基づきまして開催したもので、主に協定締結までの経過と貨物駅移転事業の概要について、周辺自治会の市民の皆様に対しご説明申し上げたところでございます。6月から9月までに、33回にわたる説明会を開催しましたところ、大勢の市民の方々にご参集賜り、さまざまな貴重なご意見を頂戴し、ご意見は関係部局等にも報告しております。今後は、鉄道公団が行います環境アセスメント調査の手続きのなかで、市民の方からの意見書の提出や、説明会・公聴会の場で具体的なご意見を伺うことになります。 

 以上、私どもに頂きましたご質問とご要望について、お答え申し上げましたが、ご指摘頂いておりますように吹田操車場跡地の問題は、周辺地域のみならず吹田市全体のまちづくりに大きな影響があることは充分承知しているところでございます。今後は市民の皆様と充分議論し、市民の皆様に納得いただけるまちづくりを目指して、努力してまいる所存でございます。以上よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。 


 吹田貨物駅に関する市長からの回答を読んで 

                                             すいた市民環境会議 

1)回答にある『大阪市内へ、できるだけ短時間で円滑に抜けるルートなどの前提条件』ならば岸部から近畿自動車道に出る方がよほど大阪市内に短時間で抜けられます。原案では東三国から新御堂筋を北上し、千里中央から西に向い、国道176号線で大阪市内に入ります。 

2)市議会は「環境を悪化させない対策を十分講じること」と議決しています。質問は『高架道路について』ですが回答では『高架道路の景観』という環境について何も答えていません。高架道路としなかった場合との比較はこれからの環境影響評価では行われない危惧があります。 

3)回答では『安治川口駅対応のみならず『特急はるか』や『特急くろしお』が使用しており』となっています。しかし、現在それらの列車はすべて梅田貨物駅から大阪環状線福島駅付近を単線で運行しています。福島駅付近の単線が解消しないかぎり吹田付近で複線を残して運転本数を増加させるメリットは考えられません。事実、現在でもこれら特急のほとんどが吹田付近では単線を使用しています。 

4)迷惑施設が来て、しかも市役所の真正面に景観を著しく破壊する高架道路ができようとしているとき、アセスメント以前に市長の決意が知りたかったです。 

5)回答は『説明会は説明するだけの場である』と読めます。市長は公聴会での意見を求めていますが、過去の公聴会で述べられた意見が施策に反映した実例があるのでしょうか。    
 今より環境が悪くなることが判っている施設を作るのです。私たちは絶対反対の立場はとりません。しかし、納得できるものでなければなりせん。 

 市の行政は市民の権利、生活を守るために存在しているものですが、回答を読む限り、業者(鉄建公団)の意見の伝達人でしかありません。  会員の皆様にお願いです。貨物駅建設問題とそれに続く操車場跡地問題を我が事として考えて下さい。子孫にとってより良い吹田を残すために。 

   2000年1月11日から2月9日まで環境影響評価実施計画書の縦覧が行われました。 

     すいた市民環境会議は2月22日 市長に意見書を提出しました。


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