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■「1998.01.03」だいすき!インターハイ

[No.0000000001]山本

・インターハイ

【望】(いよいよか…。)
  (よ〜し、頑張ろう!)

  (あれ、ぷれすてだ)
  (なにフラフラしてるんだろう)

【望】ぷれすて?
【小波】あっ、清川さん。
【望】とうとう決勝だね。
【小波】うん、今になって緊張してきてさ。
  …清川さんは慣れてるだろうけど。
【望】そんなことないよ、私だって緊張してるよ。
【小波】そうなんだ。
【望】でもね、最近は、ある人の顔を思い出すと、落ち着くの。

【望】(あ、言っちゃった…。)
  (ぷれすての事だって気がついたかな…。)
  (あ、頬が熱くなってきちゃった)

【小波】よし、じゃあ、俺は清川さんの顔を思い出して頑張ろう。
【望】えっ…。

【望】(い、今なんて…。)
  (そ、それってどういう意味なの?)
  (き、期待しちゃうじゃない…。)

【小波】さぁ、清川さん。女子の決勝の方が先でしょ。急ごう。
【望】あ、そ、そうだね。

・女子決勝

【望】(さぁ、高校最後の締めくくりなんだ。頑張らなきゃ)

【放送】第4のコース、清川望。きらめき高等学校。

【小波】清川さん、がんばれ!!
【望】ぷれすて…。

【望】(絶対、負けたくない…。)
  (ううん、絶対負けない!!)

パン!

・男子決勝

【放送】ただいまより、男子自由形決勝を行います。

【望】(あぁ、始まる…。)
  (何だか、自分の時よりどきどきして来ちゃった…。)

【放送】第6のコース、小波駒人。きらめき高等学校。

【望】ぷれすて、がんばれ〜!!

【みんくん】望が大声だして応援してるなんて珍しいね。
【望】みんくん…。
【みんくん】ほら、始まるよ。一緒に応援しよ。
【望】うん。

パン!

【解説者】さぁ、男子100m自由形決勝が始まりました。

【望】がんばれ〜!!
【みんくん】負けたら承知しないぞ〜!!

【解説者】さぁ、第6コースの小波が速い。
  5mほどの差を付けて、今、ターンしました。

【みんくん】ほらほら、小波君勝ってるよ!
【望】う、うん!

【望】(ぷれすて、頑張って!)
  (後50m…。)
  (あ、駄目だ。胸がつぶれそう…。)

【みんくん】望、目をつぶっちゃ駄目!
  後できっと後悔するよ。
  ちゃんと最後まで応援してあげなきゃ。
【望】う、うん。だけど…。
  (声が出ないよ…。)

【みんくん】小波君は、最後まで望を応援してたんだよ。
【望】えっ…。
【みんくん】小波君は、最後まで目をそらさずに望を見てたんだよ。
  望はそれで良いの?

【望】(ぷれすて…。)

【望】私、最後まで応援する!
【みんくん】そう来なくちゃね。

【解説者】さぁ、後10mほどですが…。
  ここで2番手に差を詰められてきております。

【望】がんばれ〜!がんばれ、ぷれすて〜!!
【みんくん】小波君!この応援に応えなきゃ、男じゃ無いぞ!!

【解説者】さぁ、第3コースの○○が速い、○○が速い。
  ぐんぐん差を詰めてきております。
  しかしゴールまで後僅か。
  小波逃げ切れるか!?
  さぁ、今ゴール!!

  優勝は…。
  □□高校の○○!!きらめき高校の小波、惜しくも破れました〜!

【望】(ぷれすて…。)
【みんくん】の、望、大丈夫!?
【望】えっ?
【みんくん】死にそうな顔してるよ。
【望】うん…、私は大丈夫…。
【みんくん】声、かけて上げなよね。小波君に。
【望】そうだね…。

・決勝後

【望】(負けっちゃった…。)
  (なんて声かければいいんだろう…。)
  (落ち込んでるだろうな…。)

  (あ、ぷれすて…。)

【望】惜しかったね。
【小波】ごめんね、せっかく応援してくれたのに。
【望】そんなんこと言わないでよ。
  あなたの方が悔しいってことくらい、分かるんだから…。

【望】(そんなに優しくしないでよ…。)
  (あ、駄目…。泣きたいのは私じゃない…。)
  (私じゃないのに…。)

【小波】あ、あれ、清川さん?
【望】へ、変よね。なんか、自分が負けたときより…。
【小波】清川さん…。

【望】(駄目だ、止まらない…。)
  (悔しいよ…。)
  (悲しいよ…。)
  (あんなに、あんなに努力したのに…。)

【小波】清川さん…。

ぎゅっ。

【望】ぷれすて?
【小波】有り難う。俺のことでそんなに悲しんでくれて。
【望】ぷれすて…。ぷれすてぇ〜。
【小波】有り難う。俺のことでそんなに悲しんでくれて。

こうして、最後の大会は幕を閉じた…。


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