【女子1】ねぇねぇ、今月のメモスポ、見たぁ?
【女子2】メモリアルスポット?…見てない。
【女子1】今月の特集、超サイアクよ。ほら、これ…。
『今時の男は、一人の女と付き合うだけじゃ駄目だ!』
【女子2】ひど〜い、フタマタ勧めてるじゃないの?
馬鹿にしてる…。
【女子1】それだけじゃないのよ。
『適当にモテそうにない女の子に優しくしてキープしておこう!』
これって、ふざけ過ぎよね〜。
【女子2】サイアク〜。
男がそういうつもりなら、逆手に取って弄んでやるわよ。
【女子1】引っかかる男がいればいいんだけどね〜。
【女子2】なによ〜、その言いかたぁ…。
(馬鹿な会話してるなぁ…。他に考えることはないのか?)
嘘、信じられない…。
ぷれすてが、あんな雑誌を読んでたなんて…。
もしかして、私に優しくするのって…。もしかして…。
あ〜あ、今日は水の掴みがイマイチだ…。
あっ!
(あ、足がつっちゃった。うそ…、両足いっぺんに…イタタタ…。)
あ、あれ?清川さん…。
足がつったのか?
バシャーン。
ふぅ、良かった…すぐに気付いて。
清川さんだったら、足がつっても岸までたどり着けると思ったけど…。
…。
両足か〜、痛そ〜。今、伸ばすからね。
い、いやっ!
いやって…、痛くても、伸ばしておかないと、治らないよ?
い、いいの。自分で伸ばすから。
そう…。
(どうしたんだろ、今日の清川さん…。)
【みんくん】大丈夫?
…う、うん。ちょっと準備体操が足りなかったかな。
【みんくん】小波君に伸ばして貰えば良かったのに…。
い、いいのよ。自分で伸ばせるから…。
【みんくん】…そ。
じゃ、私は練習に戻るから。
身体が冷える前に、着替えたほうがいいよ。
その様子だと、もう「復活」は出来そうにないね。
ちょっと、両足はきついわ…。
【みんくん】ちょっと小波君…。
ん、なに?
【みんくん】望と、なんかあったの?
な、何だよ急に…。
【みんくん】隠さないで教えなさいよ。
な、何もないよ。
【みんくん】じゃぁ。何で望は、小波君を避けてるのかしら?
さ、避けてる?…清川さんが?
【みんくん】もー、ニブいわねぇ…。
いや…。こっちが聞きたいくらいだよ。
…何か、悪いことしたかなぁ…。
【みんくん】男っぽいとか言ってないでしょうね?
駄目だよ、望はそういう言葉には、傷付くタイプなんだから。
清川さんが?
【みんくん】あ〜、そういう事を言う…。
う、嘘、わかってるよ…。
あ…。みんくんとぷれすてが何か話してる…。
楽しそうに笑って…。
(ズキ)
ぷれすての…馬鹿!
これでよし…と。
あ、あれ?清川さん…先に帰ったんじゃなかったっけ?
ぷ、ぷれすて?
(な、なんでこんな所に…。方向が違うじゃない!)
ちょ、ちょっと、何で逃げるのさ。
あ、アイタタタ…。
ほら、今日、足を痛めたんだから、走っちゃ駄目だって。
ほ、ほっといてよ。
それより、ぷれすて、家は方向が違うんじゃない?
こんなところで、何してるのよ。
(これで、私を待ってたなんて言ったら、ぶん殴って、金輪際、
口も聞いてあげないんだから…!)
あ、ああ、ちょっと葉書を出しにね。
(ポストを指差す)
(ズキッ)
…誰かに、手紙を書いたのか?
ま、まぁね。
…。
(そうかよ、結局は、私の…。)
ほら、今日持ってた、メモリアルスポット…。
あの特集でね、ちょっと許せないものがあったんで、抗議の葉書をね…。
え、え?
女の子を物扱いしたりとか、無茶苦茶だよ。
あ、あの、それって…。
ま、俺は、デートスポット紹介の所だけ読めばいいんだけどね。
清川さんと、どこへ行こうかって考えるのも、楽しいし…。
ば、馬鹿…。し、知らないっ!
あ、清川さん、ちょっと待ってよ…。