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■「1997.12.13」だいすき!みんくんとあんみつ

[No.0000000018]高野

【みんくん】あー、よかったぁ。まだ空いてるよ、のぞみくん。
  この店おいしいから早くこないとすぐいっぱいになっちゃうんなんだから。
【望】試験前で部活ないからあんみつだなんて。まったく試験どうすんのよ。
【みんくん】あーら、誰かさんは特待生ですから関係ないんじゃありませんこと?
【望】あっ、いったねぇ。傷ついた、帰る。
【みんくん】まぁまぁ。それに誰かさんは、週末図書館でお勉強じゃぁないですか?
【望】な、なんで知ってるの?
【みんくん】きゃは。やーい、ひっかかったぁ。まったくぅ、単純なんだから。
【望】あ、もう。みんくん、あのねぇ…。
【店員】いらっしゃい。ご注文は?
【みんくん】私、白玉クリームあんみつ。
【望】みんくん、私あんみつおごるとは言ったけど、白玉とクリームは聞いて
  ないよ。
【みんくん】気にしないでぇ。望は?なんにする?
【望】もう。じゃぁ、小倉パフェください。
【店員】はい、かしこまりました。

【みんくん】ねぇ、のぞみくん。で、図書館でお勉強のお相手はどなたかな?
【望】…判ってるくせに。
【みんくん】可愛くないなぁ、その態度。せっかくいいこと教えてあげようと思った
  のになぁ。
【望】…どうせまた変なことでしょ。だいたいみんくんねぇ…。
【店員】はい、おまちどうさま。白玉クリームあんみつと小倉パフェですね。
【みんくん】すみませーん。で、なんだっけ。うんそう、小波くんのことなんだけ
  どなぁ。
【望】え、な、なによ。それ。
【みんくん】いっただっきま〜す。うー、おいち。
【望】ちょ、ちょっと。ごまかさないでいいなよ。
【みんくん】この、寒天2個にアイスクリームとあんを1:2で食べるのがグゥなの
  よねぇ。
【望】うー、このぉ。分かりました、明子さん。私が悪かったです。あなたの
  知っていることを教えて頂けませんか。
【みんくん】素直でよろしい。で?(にっこり)
【望】もちろん、白玉とクリームの分も私がお支払いしましょう。
  (口だけ、にっこり)
【みんくん】もーひと声。
【望】えー、まだぁ。もーないよ。
【みんくん】ひとつ教えてよ。小波くんのどこが好きなの?
【望】!ば、馬鹿。なによいきなり。
【みんくん】あら、私の情報はそれくらいの価値はあるわよ。
【望】ひ〜ん。みんくんのいじめっ子ぉ。だって、ここじゃぁ…。
【みんくん】じゃぁ、食べ終わってからでいいわ。帰り道で、ね。
【望】うー。

【みんくん】ごちそーさま。じゃ帰ろっか。
【望】(むすっ)どういたしまして。帰りましょうか。

・帰り道

【みんくん】そろそろ、いっかなぁ、のぞみくん?
【望】ホントにいうの。ねー、ホントに何か知ってるの?
【みんくん】もちろん。この私が直接小波くんから聞き出した、今年のクリスマスに
  望みから何をプレゼントされたいかって情報をね。
【望】そんなこと聞いたの?どうやって?
【みんくん】相手小波くんだよ。簡単。面と向かって、なに貰いたいって聞いたの。
【望】そ、それだけ?
  (あいつ、なに考えてんだろ。)
  (そんなこと教えるの、普通?)
【みんくん】それだけ。まぁ、小波くんだからね。くすくす。
【望】はぁ。(タメイキ)で、なんて言ってたの?彼。
【みんくん】おっとぉ。そっちが先だよ、のぞみくん。
【望】…だ、だってさぁ。私にもよくわかんないんだ。ぷれすてのこと好きなん
  だけど、理由なんてわかんないよ。
  あいつ、優しいけど私にだけじゃないし。みんくんだってあいつと話して
  ると楽しいだろ?
【みんくん】まぁね。小波くんって安心できるタイプって感じかな。
【望】だろ。それに同じ部活だし。今はあいつも強化選手だから一緒にいること
  多いし、なんだかわかんなくって。
【みんくん】でも大好き、と。
【望】うん。…あっ、いやその。みんくん!
【みんくん】望の正直者。でも、いいな。そういうの。
【望】そ、そう?……そうかな。
【みんくん】さて。じゃぁ、のぞみくんにおのろけ聞かせてもらったし。教えて上げ
  ようかな。私の小波情報を。
【望】うんうん。
【みんくん】小波くん、なんて言ったと思う。けっこうすごいよ。
【望】んー、すごいって。あ、あたしとデート権、とか。(恥ずかしー)
【みんくん】…のぞみくん、言うようになったねぇ、でもはずれ。
【望】(あ、だめ恥ずかしくてわかんない。)
  …わかんないよ。
【みんくん】それでは正解。小波くんの欲しい物は、
【望】(欲しいのは?)
【みんくん】望とKISS。
【望】…………。
【みんくん】のぞみ、くん?
【望】……!ほんとにぃ!ほんとにそんなこと言ったの、ぷれすてぇ。
【みんくん】……言いました。しっかり。
  ふつう、言わないよ。いくら私がのぞみくんの友達だからって。
  小波くんってそういうトコ変だよね。
【望】…………。
  (ど、どうしよう。)
  (みんくんが私にこのこと話すって事は、ぷれすて知ってるわけで。)
  (それなのにそんなこと言ったりして。…KISSだって。なんで?)
  (ぷれすても私のこと…、でも冗談だったらどうしよう?)
  (私ぷれすての前でどきどきして、そのあげく本気にしてたの?なんて)
  (からかわれたら思いっきり恥ずかしいじゃない……。)
【みんくん】のぞみくん。なに世界に入ってるのよ。
【望】だ、だってみんくん、私ぃ。
【みんくん】もうその気になってるの?まだ2週間近くあるのよ。
【望】……みんくん?
【みんくん】なぁに?

【望】この大馬鹿者!!!
【みんくん】きゃぁ。ごめん、望。ぶたないでぇ。


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