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■「1997.07.16」だいすき!本運び

[No.0000000006]馬渕

・休み時間

【みんくん】ねぇ、のぞみくん、小波君とはどうなってるの?
【望】え?別に。何もないけど?
【みんくん】なぁんにも無いのぉ?ほんっとにのぞみくんって奥手ねぇ。
  あんなに協力してあげてるのにぃ…。
【望】だって…そうはいっても…。
【みんくん】昔とはえらい変わり様よねぇ。こんなにしおらしくなっちゃうなんて。
  のぞみくんには内緒で昔の事話して来ちゃおうかなぁ。
【望】ちょ、ちょっと!それだけは勘弁してよぉ!そんな事聞いたら…。
  私、嫌われちゃうよぉ…。
【みんくん】なにいってるのよ、協力してあげようと思ってるのにぃ。
  こんなに変わったのは、小波君に好かれようと努力してるからよって
  教えてあげようと思ってるのに。
【望】で、でもぉ、あいつはどう思ってるか分かんないし…。
  一緒に話してるだけでも十分嬉しいし…。
【みんくん】もぉ、いらいらするなぁ。当たって砕けろでしょ?
【望】う、うん…私もそう思うんだけど…なかなか言い出せなくて…。
【みんくん】…私を励ましてくれたのぞみくんとは思えないなぁ…。
  …先に取っちゃおうかしら…。
【望】何?
【みんくん】え、いや、何も…。
【みんくん】はぁい、先生、何でしょう?(た、助かった…。)
【みんくん】はいはい。お安い御用です。
【望】本はどこにあるんですか?
【望】ねぇ、何言おうとしてたの?
【みんくん】そんなの後々。図書室に行きましょう。
【望】う、うん…。
  (何か怪しいなぁ…まあ、いいか。)

・図書室

【みんくん】これ、と。これ、と。これ…何でこんなにあるのよ、もう。
【望】自分でやるって言ったんだから、文句言わないの。
  えっ…と、これもか。
      ・
      ・
      ・
【みんくん】こんなに…あるの?
【望】壮観ねぇ。じゃあ、半分づつだね。
【みんくん】ぐっ…お、重い…こんなの持てないわよぉ。
【望】しょうがないなぁ。これぐらいで重いの?じゃあ、私が持ってあげるわよ。
【みんくん】…あなたは特別よ…。
【望】えー?なぁに?
【みんくん】べ、別に。いきましょ。ヨイショっと!
      ・
      ・
      ・
【みんくん】それにしても、かよわい女の子2人にこんな事させるなんて
  ひどい先生ねぇ。
【望】そっかぁ?いい運動だけどなぁ。
【みんくん】(昔っから腕力は凄かったけど…あ、小波君だ。)
【小波】大変そうだね。
【望】全然平気よ。みんくんもいるし。
【小波】みんくん?
【望】ほら、私の後ろ…いない…。
  (さては…気を効かせてくれたのかしら)
【小波】俺が持ってあげるよ。ほら、貸して?
【望】だ、大丈夫よ。そんなにやわじゃないから。
【小波】こういう事は男に任せておけばいいの。
【望】そんな事言われたの、初めて。あ、ありがとう。すっごく嬉しい…。
【小波】いいからいいから。よいしょ…おおおおお!
【望】そ、それじゃ、職員室まで運んでくれる?
【小波】お、お安い…、御用だよ。
【望】でも、男の子に荷物を持ってもらうなんて、初めてで、なんか照れるね。
【小波】な、なに言ってるの。女の子にこんな重いもの持たせられないよ。
【望】やさしいんだね…。幸せって、こういう時に感じるのかな…。
【小波】き、清川さん…悪いんだけど、早く職員室に行こうよ。
【望】あっ、ごめん。嬉しくて…半分持とうか?
【小波】いや、いい…さあ、行くぞ。
      ・
      ・
      ・
【望】(ぷれすてったら、面白かったなぁ…顔真っ赤にして。)
  (いかにも無理してるって顔してたなぁ…。)
  (でも、男の子に優しくされるって嬉しいなぁ…。)
  (ぷれすてだからかなぁ…。)
【みんくん】の〜ぞ〜み〜くん!なににやにやしてんの?
【望】あ、みんくん、途中で逃げたでしょう!
【みんくん】私は、ちゃんとやったわよぉ。で、どうだった?
【望】…やっぱり、知ってたのねぇ?
【みんくん】あ〜ら、お礼を言って欲しいわよぉ。
  ほかならぬのぞみくんの為に気を効かせたんだから。
【望】…もう…。

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