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■「1998.04.07」だいすき!進路相談
[No.0000000016]植田
・自宅
あーあ、明日から新学期か。
(そういえば、進路指導が始まるって言ってたっけ。)
まっ、あたしは決まった様なモンだから関係ないや。
(…ぷれすてはどうするのかな?)
(聞いちゃえばいいんだけど、なんか照れくさいし。)
うじうじしててもしょーがないや、明日思い切って
聞いちゃおっと。
・登校途中
【みんくん】おはよう、のぞみくん。
やあ、おはよう。
【みんくん】はぁー。
どうしたの?
【みんくん】いいなー、のぞみくんは。
なんなのよ、一体。
【みんくん】もう決まった様なモンでしょ。
もしかして今日の進路相談の事?
【みんくん】そうっ。あたしなんか志望が○○大でしょ、
きっと呼ばれたら即「今のままでは浪人だぞ」って脅かされるんだよ。
考え過ぎよ。…危ないの?
【みんくん】まあ、なんとかなるでしょ。
ところで…彼氏の進路は?
だ、誰よ彼氏って。
【みんくん】まーたまた、今さらとぼけてどうすんの。
小波君に決まってるじゃない。
さ、さあ?あたしも知らないの。…本当だからね。
【みんくん】そんなにむきにならなくても、疑ってないわよ。
まだのぞみくんには言ってないのか。彼らしいわね。
まさか…みんくん知ってるの?
【みんくん】うん、休み前に「どうすんの?」って聞いたんだ。
…で、…なんて…。
【みんくん】…やーめた。彼の口から直接聞きなよ。
ちょっ、ちょっと…みんくん。
(もーっ、みんくんの意地悪。)
・始業式
(結局、聞きそびれちゃった。)
おはよう。
あっ、お、おはよう。
どうしたの?なんかピリピリしてるみたいだけど。
えっ、そ、そう?そんなことないよ。
(そんなに変だったのかな。)
ねえ?
なに?
あ、あのさ…。
(思い切って聞いちゃえばいいのよ。)
ぷれすて…あの、ほら…。
ん?何が言いたいの?
(もーっ、今日聞きたい事って言えば判りそうでしょ。)
このあとの…。
あっ、式が始まるよ。じゃ、また後で。
あっ、あの…。
(…聞きそびれちゃった。)
・進路指導室
【先生】清川はどんな進路を希望かな?
まー、おまえならどこの実業団でも入れるとは思うが。
前回での調査では確か…○○自工だったな。
は、はい。
【先生】先方からも「早く来てくれないかと楽しみにしてます」
とまで言われてるそうじゃないか。
ええ、そうですね。
【先生】他人ごとじゃないんだから曖昧な答えはするなよ。
…すいません。
【先生】じゃ清川は○○自工で決まり…でいいな。
は、はい。
【先生】それから、「今日から練習を始める」そうだ。
どうした?はやく練習に行きなさい。
あ、はい、失礼します。
(あーあ、決まっちゃった。)
(ぷれすてはどうしたのかな。)
・プール
【みんくん】どこにしたの、のぞみくん?
…よくもあたしの前に顔をだせるわね。
【みんくん】もしか…しなくても…怒ってる?
当たり前でしょ。もう決められちゃったわよ。
【みんくん】実業団の○○自工?
そうよ。
【みんくん】去年から言ってたもんね。
どころでぷれすては?言いなさいよ、みんくん。
【みんくん】小波君から直接聞いた方が納得するでしょ。
…あっ、ほら、小波君だよ。
おーい、こ・な・み・くーん。
ま、待ってよ、みんくん、ちょっと…。
なに、水野さん?
【みんくん】ほら、のぞみくん。
(ひゃーっ、まだ心の準備ができてないよー。)
あ、あのさ、その、えっと…。
なに?
【みんくん】もー、じれったいな。あのね…。
ぷ、ぷれすては…。…どこへ行くの。
どこって…進路の事?
…うん。
【みんくん】小波君の口から直に聞きたいんだって。
みんくん!
…多分…清川さんとは違う所になると思うよ。
えっ!ど、どうして?
推薦の話しもあるけど、全て国体の結果次第なんだ。
清川さんみたいに実績があるわけじゃないからね。
そ、そうか。高校から始めたから…。
(自分じゃ決められないのか。)
でも推薦を取れる自信だけはあるぜ。
…自信だけ?
きついなー。…少し不安だけどね。
…でも、進路が違うと…やだな。
水泳、止めるワケじゃないんでしょ?
もちろん…当たり前じゃない。
それならヒマな時は二人ともヒマなわけだ。
えっ?
(スケジュールが同じって事?)
それに目標は同じなんだし。
う、うん。
(二人ともアトランタよね。)
…まだ不安?
な、なにが?
毎週電話した方がいい?
(やだ、見透かされてる。)
べ、別にしてもいいよ。
【みんくん】あーっ、暑い暑い。
デートの相談は休みの日にしていただけます?
そんなんじゃ…(あるかな?)
今考えてもどうしようもないからな。
頑張ってね。
(大変なんだ、ぷれすても。)
(ぼそっ)アトランタ…一緒に行こうね。
う、うん。
(なにが自信だけよ。ウソつきー。)
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