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■「1997.04.06」だいすき!美術館

[No.0000000006]馬渕

・学校

【望】あ、彩子じゃない。久しぶり。
【片桐】Oh、望じゃない。ひっさしぶりぃ。How are you? 元気?
【望】あはは…まあ、元気だけどさ、春休みはどうだった?
【片桐】そうねぇ。私は相変わらず美術の勉強かなぁ。
  絵を描いてばっかりね。
【望】変わんないねぇ?
【片桐】それで、こないだ、美術館に行って来たのよ。
  ちょうど今彫刻展やってて、こ・れ・がVery beautiful!!
  So niceなのよぉ!
【望】ふーん、彫刻展ねぇ…。
【片桐】いっぺん望も行ってごらんよぉ。絶対良いから!!
【望】そうねぇ…彩子がそんなにいうなら、行ってみよっかなぁ…。
【片桐】行ってみなよぉ。そしたら感想聞かせてね。
  じゃあ、Good bye!! またね!
【望】うん、じゃあね。
  (そうだなぁ…水泳ばっかりも何だし、たまにはそういうのもいいか…。)
  (よし、ぷれすてを誘って行ってみよう…かなぁ…。)
  (でも…なぁ…なんか照れ…。)
【小波】やあ、清川さん。
【望】い、いや、何でもないよ!!べ、別に!!
【小波】は?何が?
【望】あ、何だ…ぷれすてか…ちょうど良いや。今度の日曜日、空いてるかな?
【小波】空いてるよ。
【望】じゃぁ、美術館に行こうよ。
【小波】ああ、いいよ。じゃあ、美術館の前で、日曜日にね。
【望】うん、じゃあ、遅れないでよ。
  (なんだ、ちゃんと言えるじゃない。照れる事なかったな…。)
  (って…今になってドキドキして来ちゃった…。)

・美術館で

【小波】待った?
【望】ううん、私も、今来た所だから…。
【小波】それじゃ、中に入ろうよ。
【望】そうね。
      ・
      ・
      ・
【望】彩子に聞いて来てみたけど、すっごいねぇ。ほんとに生きてるみたい。
【小波】彩子って、片桐さんの事?
【望】あれ?知ってるの?
【小波】よく、片桐さんが清川さんの事話してるから。
【望】(もしかして、彩子って、ぷれすてと仲良いのかなぁ…。)
  (でも、クラスも違うし…。)
  (ひょっとして…つき合ってるから…話しも良くするとか…。)
【小波】あ、清川さん、触ったらダメだって!!
【望】え?触る?
バキッ!
【望】…と、取れちゃった…。
  (知らないうちに握ってたみたいだ…ま、まずい…。)
  ど、どうしよう…。
【小波】とりあえず、逃げよう!
【望】え?
【小波】ほら、早く!
      ・
      ・
      ・
【望】良心が痛むなぁ…。
【小波】大丈夫だよ。ばれやしないって!
【望】でも…ばれたら?
【小波】ばれたら…俺が何とかするよ。
【望】何とか…どうするの?
【小波】…だ、大丈夫だって!
【望】…やっぱりあやまってくる!
      ・
      ・
      ・
【望】ありがとう。一緒にあやまってくれて。嬉しかった…。
【小波】いやいや。どうってことないよ。
【望】ほんとは、凄く恐かったんだ。来てくれて心強かったよ。
  …ところで…彩子とは…どういう関係なの?
【小波】ああ、彼女は、詩織と仲が良くってね。ときどき話するんだけどね。
  俺が、清川さんとつき合ったら、女の子らしくなるんじゃないの?
  同じ水泳部だし、お似合いだよっていっつもからかうんだよなぁ。
【望】そ、そうなんだ。良かった…。
【小波】何か言った?
【望】別に。さ、帰ろうよ。

・次の日学校で

【片桐】Good Morning!! おはよう!
  美術館行って来た?
【望】あ、彩子。ありがとう。
【片桐】What? 何が?
【望】うん。色々とね…。

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