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■「1996.12.03」ときめき!誕生日

[No.0000000001]山本

・クラブ

【みんくん】の〜ぞ〜み!
【望】な、何よ。気持ち悪いなぁ、にやにやして。
【みんくん】うっふっふっふっふ。
【望】何よ?
【みんくん】今年の誕生日は楽しみでしょ〜?
【望】な、何で?
【みんくん】またまた、小波君と約束してるんじゃないの〜?
【望】ううん、何にも。
【みんくん】マジ!?
【望】うん…。
【みんくん】(あちゃあ、まずいこと言っちゃったかな…。)
【望】私の誕生日なんて覚えてるかな?
【みんくん】え?大丈夫だって、去年も貰ったんでしょプレゼント。
【望】う、うん…。
【みんくん】大丈夫、自信持ちなさい。最近の望は私が見てても可愛いと思うよ。
【望】ありがと…。
【みんくん】そのうちお誘いが来るって。
【望】そうかな…。
【みんくん】何なら、それとなく念押ししといてあげようか?
【望】あ、いい。別にプレゼントが欲しい訳じゃないし…。
【みんくん】じゃどうなったら良いって言うの?
【望】誕生日おめでとうって言って欲しいかな…。
【みんくん】はいはい、ごちそうさま。好きなだけ言ってなさい。

・自宅

【望】ただいま。
【母】お帰り、望。小波君から電話があったわよ。
【望】え!?ホント?
【母】ウソ言ってどうするの。またかけ直しますって言ってたわよ。
【望】そう…。

  (何の用事だったんだろう…。)
  (『誕生日プレゼント何が良い?』なんて聞いてくれたりして…。)

【望】にへへへ…。
【母】何にやけてるの、気持ちの悪い。
【望】ん?何でもないよ。お風呂入るね。
【母】はいはい。ほんとに最近変なんだから。

【望】(ホントに何の用事なんだろ…。)
  (『望、二人だけで誕生日をお祝いしないか…』)
  (何てこと言う訳無いか)

【母】望、小波君から電話だけどどうする?
【望】へ?で、電話!?

  (どうしよう、まだお風呂だし、でも用事は聞きたいし…。)
  (いいや、別に見える訳じゃ無いし)

【望】こっちに持ってきて、お母さん。
【母】お風呂で出るつもり?濡らさないでよ、防水なんかじゃ無いんだから。
【望】分かってます。

【望】はい、お電話替わりました。
【小波】き、清川さん、今お風呂?
【望】な、何で分かるの!?
【小波】いや、お母さんが「お風呂で出るの?」って言たのが聞こえたから…。

【望】(お母さんの馬鹿、保留してなかったの!?)

【小波】あの、かけ直そうか?
【望】あ、良いわよ別に。見える訳じゃないし。
【小波】まあ、そりゃそうなんだけど…。
【望】見たかった?
【小波】な、ば、や、あ、そ、そう言うことは…。
【望】あっはっはっは、冗談。そんなに慌てなくても良いじゃない。
【小波】清川さん、性格悪いよ。
【望】ごめんね。
【小波】別に気にしてないけど。見たいのは事実だし。
【望】や、やだ、エッチ。
【小波】健全な証拠だと思うんだけどなぁ。
【望】どうせ誰のでも良いんでしょう。
【小波】それは断じて無い。清川さんがいい。
【望】馬鹿…。
【小波】で、用事なんだけど。
【望】あ、うん。何の用?
【小波】別にいいや。
【望】な、何よそれ〜。
【小波】やっぱりこう言うのは自分で考えないと意味無いし。
【望】宿題が聞きたかったとか言うんじゃないでしょうね?
【小波】ま、似たようなものかな?
【望】馬鹿!勝手にしろ!鈍感!!

ピッ。

【望】馬鹿…。

・12/1(日曜日)

【望】(あ〜あ、今日は珍しくクラブが休みなのに声もかけてこないなんて)
  (この間の電話のこと怒ってるのかな…。)

【母】望。
【望】あ、何、お母さん?
【母】たまには女の子らしく買い物にでも行って来たら?
【望】う〜ん、買い物か…。
【母】荷物が多くなるから誰か誘って行ってくれば?
【望】え、そ、そうだね。分かった。ちょっと待ってて。

タッタッタッタ…

【母】我が娘ながら世話の焼ける。自分で誘うことも覚えなさい。

【望】(ぷれすて、うちにいるかな…。)

Trrrr…
Trrrr…
かちゃ

【小波?】はい、小波です。
【望】ぷ、ぷれすて?あ、あの…。
【小波?】ただいま出かけておりますので、ご用件の…。

がっくり

【望】はぁ〜、やっぱり留守かぁ…。

  (誰と出かけてるんだろう)
  (あ、何か思い当たる子がいっぱいいてやだなぁ)
  (クリパの女の子とか、海の女の子とか、幼なじみとか…。)

【小波?】…用件をお入れ下さい。ピー。
【望】…馬鹿!

・12/2(月曜日)

【みんくん】望、どう?連絡あった?
【望】別に。どうでもいいよ、あんなやつ。
【みんくん】ど、どうしたの?何かあったの?
【望】うん、実は…。

【望】って訳なの。
【みんくん】別に女の子と歩いてるの見た訳じゃないんでしょ?
【望】そりゃ、そうだけど…。
【みんくん】決めつけるのはどうかと思うけどなぁ。
【望】じゃ、何で何も言ってくれないの?
【みんくん】驚かそうとか思ってるんじゃないの?
【望】そ、そんな…。
【みんくん】そんなこと考えるほど高尚じゃないって?
【望】そ、そんなことは無いけど。
【みんくん】とにかく明日まで待ってみなさいって。
【望】う、うん…。
【みんくん】ま、来なかったら家まで押し掛けていって諸肌脱いで説得すれば?
【望】ば、馬鹿!

・12/3(火曜日)

【望】(ホントに来るのかな…。)
  (来なかったらどうしよう…。)

  (あ、もう最後の授業が始まる…。)
  (やっぱり来ないのかな…。)

  (…会いたい…。)

きーんこーんかーんこーん…

【望】(あ〜あ、放課後になっちゃった…。)
  (やっぱり私の誕生日なんか忘れちゃってるんだ…。)

  もういい、クラブにでも行こう。

タッタッタ…

【小波】お〜い、清川さん!!

【望】(えっ!?)
  (き、来てくれたの?)
  (う、嬉しい…。)
  (あ、泣いちゃう、泣いちゃいそう)

【小波】良かった、間にあって。
【望】な、何の用?
【小波】何ぼけたこと言ってるの、今日は誕生日でしょ?
  おめでとう、はいプレゼント。
【望】あ、ありがとう…。あ、開けても良い?
【小波】もちろん。

【望】(あ、リボン…。)
  (可愛い…。)
  (ちゃんと私のこと女の子って見てくれてるんだね)

【望】あ、あの、すごく嬉しい。ずっと大事にするね。
【小波】いや〜、喜んで貰えて良かったよ。
【望】覚えててくれただけでも嬉しい。
【小波】あ、あはははは…、照れるなぁ。実はなかなか良いのが思いつかなくて。
【望】うん…。
【小波】清川さんに聞こうと思ったんだよね。
【望】あの電話?
【小波】そう言う事。

【望】(何だ、そうだったんだ)
  (忘れてた訳じゃないんだ)

【小波】で、やっぱりまずいと思って、水野さんに付き合って貰って探しに
  行ったんだよ。
【望】み、みんくんと!?い、いつ?
【小波】この間の日曜日。

【望】(じゃあ、昨日の時点で知ってたんじゃ無いの〜!!)

【みんくん】あ、望。良かったね、プレゼント貰えて。
【望】……。
【みんくん】望?
すぅ…。
【望】馬鹿ぁ〜!!!!


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