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■「1996.11.xx」ときめき!ランニング

[No.0000000006]馬渕
[No.0000000004]新里改変

・自宅

【望】ふぁ〜あ。
  あ〜、ねむ。
  また昨日は良く寝れなかったなぁ。なんだか、最近私変ね。

ゴソゴソ(着替えをする音)

【望】おはよ〜。
【母】おはよう。今日も眠そうねぇ。最近眠れないの?
【望】ちょっとね…。
【母】そう。まあ、頑張ってランニング行ってらっしゃい。
【望】は〜い。
【母】小波君にも会えるかもね。
【望】ぶっ…馬鹿な事言わないでよ!牛乳吹いちゃったじゃないの!
【母】はいはい。早くいってらっしゃい。遅れちゃうわよ。
【望】わかったよ。行ってきまーす。

バタン、タッタッタ…

【望】(今日も、ぷれすてにあえるかな?)
  (最近、あいつとこの時間良く会うんだよね。)

タッタッタ…ドン!

【小波】おはよう、清川さん。
【望】あ、おはよう。ぷれすて。今日も早いわね。
【小波】まあね。もう少しで、俺も特別練習のメンバーだからね。
【望】そうよね〜。入部当時からすると、すっごい進歩よね。
  あの頃の溺れてるんだか犬かきなんだか、良く分かんない泳ぎからするとね。
【小波】や、やめろよぉ。恥ずかしいなぁ。
  でも、良く覚えてるねぇ、話しもしてないのに。
【望】え? あ、ああ。まあね。私は、常に部員のみんなの事を見てるのよ…。
【小波】なんだ、ちょっとがっかりだなぁ。
【望】ば、馬鹿な事言わないでよ。照れちゃうじゃない…。
  (なんで、変な事突っ込んで来るのよ、もう…。)

【小波】あのさ、今日はきらめき中央公園に行ってみようよ。
【望】ああ、そうね。行って見ましょう。

・きらめき中央公園の並木道

【小波】ここさあ、紅葉が今きれいなんだよねぇ。
【望】ほんとだね。なんか、いいなぁ、こういうのって。
【小波】なにが?
【望】え?うん、きれいな景色が…ね。
  (また、もう。なんか、顔が熱くなって来ちゃった。)
  あ、あのさぁ、私ね、昔、そこの池で、溺れてる子を助けた事があるんだ。
【小波】へぇ、昔っから泳ぎは凄かったんだ。
  俺もさ、池で溺れたことがあるんだ…。
【望】へぇ、そうなの。
【小波】助かったんだけど、ね。
【望】ははは、そりゃそうだ。

【小波】詩織と二人でどっかの公園に行ってさ…。魚がいたから取ってやろうと
  思ったら、池におっこっちゃって、大騒ぎだったんだ。
  そしたら…おない歳くらいかなぁ…。
  男の子が飛び込んできて、助けてくれたんだ。
  それからさ。
  俺もその子に憧れて、水泳をやろうって思ったんだ。
【望】それで、あんなに必死に練習してるんだ。
  (なんだ、そうだったのか…。)
【小波】とは言え、中学のときはすっかり忘れてたんだけどね。
【望】いい加減だなぁ。
  私の時は、助けてあげたらさ、次の日の新聞に、私の事、少年
  なんて書かれちゃって、すっごく頭に来たけどね。
【小波】ははは…その頃から男っぽかったんだ!
【望】なによ!もう。努力はしてんだからね!
  (誰の為だと思ってるのよ!もう…分かってくれないのかな…。)
【小波】でも、あの子にお礼をちゃんと言えなかったのが心残りでさ。
【望】そーねぇ。きっと、どっかで水泳でもしてんじゃないの?
【小波】だからさ、俺も水泳をやってれば、また会えるかなと思って…。
【望】うん、きっと会えるよ。
  なんだか、そんな気がする。
【小波】ありがとう、頑張るよ。

【望】(あれ?そういえば…あのときの子のそばに女の子がいたわね。)
  (男の子の名前、なんて呼んでたっけ?…そういえば、あの子も
   今ごろ何やってんだろうなぁ…。)

【小波】あ、それじゃ、俺、こっちだから。また学校で。
【望】あ、うん、じゃあ、学校でね。

・ロードワーク後のシャワー

【望】幼なじみと公園か…。うらやましいなぁ。
  私にも幼なじみの男の子とかいたら、もっと女の子らしくなってたかな…。
  あ、あれ?
  あのとき一緒にいた女の子…。藤崎さんに似てなかったかな?
  もしかして、あのとき助けた子が、ぷれすて…。
  い、いや、まさか…。
  あ、いけない、早く帰んないと遅刻しちゃう!
  また、学校頑張んないと!

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