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■「1996.06.01」ときめき!体育祭

[No.0000000016]植田
[No.0000000004]新里改

・自宅

【望】行ってきまーす。
  (さーて、頑張るぞ。)
  ところで、ぷれすてはどの競技にでるんだろう?

・校門

【望】(あっ、いたいた。)
  おーい、ぷれすて!
【小波】あっ、清川さん。おはよう。
【望】おっはよっ。ねっねっ、ぷれすては何にでるの?
【小波】借り物競走だよ。
【望】(あれって確か女子が借り物の役よね。)
  ふーん、もしかして期待しちゃってる?
【小波】えっ、な、何を?
【望】(白々しいんだから、顔みりゃわかるんだからね。)
  だって、女子と公然と手を握れるじゃない。
  可愛い子だといいね。
【小波】じゃあ、清川さんも大変だね。
【望】えっ、どうして?
【小波】可愛いじゃない。
【望】ば、馬鹿…。照れるじゃないか…。
  (やだもうっ、調子狂っちゃう。)

・午前中の競技

【アナ】借り物競走に出場する生徒は、入場門の前に集まってください。
  繰り返します…。
【望】(あっ、始まるわね。)
  (よーし、思いっきりひやかしてやる。)
  ドーン。
  きゃーっ、ぷれすて、頑張れーっ。
【みんくん】どうしたの望、あんたが応援するなんて珍しいじゃない?
【望】えっ、そ、そんなことないわよ。
  ほ、ほら、ぷれすてって同じクラブじゃない。
【みんくん】ふーん、それだけ?
【望】そうよ。
  (私が恥ずかしがってどうすんのよ。)
【みんくん】あれっ、小波君こっちにくるよ。

【小波】いたいた、清川さん、早く!
【望】あ、あたし?
【小波】そう、早く!
【望】(ちょっと待ってよ、何で私が?)
  あたたた…。
  (やだ、ぷれすてそんなに強く手をにぎっちゃ…。)
  (なんでこんなに真剣なのー。)

【小波】やったね、清川さん、一着だよ。
【望】…もう手を離してもいいでしょ?
【小波】あっ、ご、ゴメン。痛かった?
【望】(まったく鈍感なんだから。みんなが見てるじゃない。)
  (でもちょっと嬉しいかな…。)

【望】ちょっと、ぷれすて。その紙、なんて書いてあったんだ?
【小波】へっ?
【望】どぼけてもダメよ、その紙見せて!
  (なにこれ〜、『可愛い女子』ってなによ。)
  な、なんでこれで、私を呼びにくるんだよ。
【小波】え、なぜって?
【望】ほ、他にも可愛い子はたくさんいるだろ…。
【小波】でも、可愛い子って、清川さんしか思い浮かばなかったから…。
【望】…。
  (これって、みんな知ってるのよね。)
【小波】あれ、どうしたの清川さん?
【望】ばっ、馬鹿…。
  (ハズカシー。)

【みんくん】の・ぞ・み・く・ん!
【望】なによ、その『の・ぞ・み・く・ん!』って。
【みんくん】あらっ、そんな口きいて後悔しない?
  ツーショットがこのカメラに収まってんだけど。
【望】ちょっ、ちょっとまってよ!
  (えーん、ぷれすてのヤツ。)
【みんくん】それにしても、妙に一生懸命応援すると思ったら、ちゃっかりと
  自分を迎えに来てくれるように相談してあったってわけね。
【望】ち、ちが…そんなことしてないったら…。
【みんくん】はっは〜、隠すな、隠すな…。
【望】(もう!)

・お昼休み(中庭)

【望】(もーっ、散々だったわ。みんなに他人ごとだと思って。)
  (それに『望、う・れ・し・い?』ですって?)
  …。
  (…決まってんじゃない。嬉しいに。)
  ふふっ。

・フォークダンス

【アナ】次は、生徒全員によるフォークダンスです。
  生徒の皆さんはグラウンドに集まってください。
【望】(フォークダンスか。)
  …。
  (あれっ、次はぷれすてと。)
【小波】よろしく、清川さん。
【望】よろしく…。
  (ぷれすてって、こんなに背が高かったっけ?)
  (あれっ、足がもつれそう。)
  (やだっ、静まれ静まれ私の心臓…。)

  (はーっ、どきどきした。)

・帰り道

【望】(今日はぷれすてとずっと一緒だった気がするな。)
  (なんか、デートしてたみたい。)

  (あれっ、ぷれすてのヤツ、なにしてんだろ?)
【小波】清川さん、今帰り?
【望】そ、そうだよ。
【小波】一緒に帰らない?
  (きゃーっ、なんてラッキーな一日なの。)

・自宅

【母】なんだよ、この子は。気持ち悪いね。
【望】へっへっへー。
  (ごめんね、母さん。でも今、望はシ・ア・ワ・セなの。)
【母】明日も早いんでしょ?早く寝なさい。
【望】はーい。

【望】(…まだドキドキしてる。)
  (…楽しかったな、今日は。)


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