[前][戻][次]

■「1995.09.xx」きらめき!映画館

[No.0000000001]山本

・自宅

Trrrr…
Trrrr…
【望】うるさいなぁ、お母さ〜ん!電話鳴ってるよ〜!
【母】今手が放せないからちょっと出て頂戴。
【望】ん、もう〜。はいはい、今出ます。

【望】はい、清川です。
【小波】小波ですが。
【望】あ、ぷれすて。何か用か?
【小波】今度の日曜日に映画に行かない?
【望】映画か〜。うん、いいぜ。
【小波】じゃあ映画館の前で待ち合わせでいいかな?
【望】それでいいよ。それじゃ遅れるなよ。
【小波】それはお互いさま。それじゃ。

がちゃ

【望】映画か。長い間行ってないよな…。
  でも、何の映画なんだろ?
  ホラーとかだったらちょっとイヤだな。
  小難しいのだと眠くなっちゃうし…。

【望】ま、面白くなかったら帰っちゃえばいいか。
  (にしても、あいつまめだよな〜。)
【母】望。
【望】(何だかんだいって、月1回は遊びに誘いに来るもんなぁ…。)
【母】望?
【望】(他に誘う子、いないのかな?)
【母】望!
【望】わっ!?な、何、お母さん。急に大声だしたりして。
【母】普通に呼びかけても反応しなかったのはあなたでしょ?
【望】そ、そうなの?
【母】電話、誰からだったの?
【望】あ、私にだったから。
【母】そう。それならいいけど。惚けた顔して外歩くのは止めてね。
【望】へっ?そ、そんなことするわけ無いでしょ。
【母】どうだかねぇ。まあいいわ。早く寝なさい。
【望】はーい。

・映画館前

【望】やっばいなぁ。遅れちゃったよ。
【小波】清川さん、こっちこっち。
【望】悪い悪い。ちょっと遅れちゃったよ。
【小波】いや、今来たとこだから、気にしなくていいよ。
【望】くすっ。
【小波】な、何?
【望】(足下にコーヒー缶並べてよく言うよな…。)
【望】ほんとにごめんな。
【小波】いいって。そんなに待ってないから。さ、映画が始まっちゃうよ。
【望】うん。

【望】で、今日の映画って何?
【小波】フォレスとガンプ。清川さん前に見たいって言ってたでしょ?
【望】そ、そうだっけ?
【小波】これだもんなぁ。
【望】(あんな休憩時間のちょっとした話、覚えててくれたんだ…。)
  (単に記憶力がいいだけ?それとも…。)
【小波】あ、始まっちゃうよ。早く座ろう。
【望】う、うん…。

・映画館前(映画終了後)

【小波】面白かったね。
【望】うん。面白かった。
【小波】よかった。楽しんで貰えたみたいで。
【望】なぁ、聞いてもいいか?
【小波】何?
【望】何でこの映画の話、覚えてたんだ?
【小波】何でって…。た、たまたま、かな?
【望】ふーん。

【小波】また今度連絡するから。
【望】うん、またな。

・自宅(お風呂)

【望】ふう。
  (今日は楽しかったな…。)
  (何で私にこんなに気をかけてくれるんだろ。)
  (ひょっとして…。)
  女の子の友達がいないだけかな。

【母】望、いつまで入ってるの?いい加減に出なさい。
【望】はーい。
  (明日からまた、水泳ガンバらなきゃ。)


[前][戻][次]