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■「1995.08.27」きらめき!プール

[No.0000000006]馬渕

Trrrr…
Trrrr…
がちゃ

【望】はい、清川です。
【小波】あの、小波ですけど。
【望】なんだ、小波、何、私に用?
【小波】8月27日にプールへ行かない?
【望】うん、いいよ。
【小波】じゃあ、8月27日にプールの前で待ち合わせということで。
【望】わかった。遅れずに来いよ。
【小波】それはお互い様。それじゃ。

がちゃ。
【望】(この間話したばっかで、電話かけて来るなんて積極的な奴だな。)
  (私に気があんのかな?…まっさかねぇ。)

・日曜日(8/27)

【望】お母さん、水着どこだっけ?
【母】いつものとこにあるでしょう?
【望】そうじゃなくて、プールに行くの!もう、急いでんだから!
【母】あら、珍しいわね。学校の友達?
【望】まあね。こないだの合宿で知り合ったんだけどね。
【母】ふーん、男の子?
【望】ま、ま、まあね…。
【母】え!そうなの?あなたがねぇ…。
【望】い、い、いいじゃない!それより、みーずーぎ!

【望】(さて…と水着は持ったし、忘れ物は無いな。)
  (でもなあ、ちょっとこれデザインが古いんだよなぁ。)
  (新しいの買えば良かったかな。部活が忙しかったし。)

【望】それじゃ、いってきまーす。
【母】はい、いってらっしゃい。

バタン…タッタッタ…

【父】おい、今日も部活か?今日は活動日だったかなぁ。
【母】それが、今日は男の子とプールに行くんだって。
【父】な、なに?望が?そうか…。
【母】珍しいでしょう?初めてなんじゃないの?
【父】そうか、あの子もやっとなぁ。でも、なんか複雑だのぅ…。
【母】何言ってんのよ。めでたいじゃないの。

・プールで

【望】悪い悪い、ちょっと遅れちゃったよ。
【小波】いや、今来たとこだから、気にしなくていいよ。
【望】それじゃ、入ろうぜ。

【望】(ちょっと、この水着、古いって思われるかなぁ…。)
  (恥ずかしいなぁ。やっぱ、辞めときゃ良かったかなぁ。)
  (まあ、いいや!)
  この水着、どうかな?
【小波】清川さんに似合って、可愛いよ。
【望】(え、可愛い?私が?)
  可愛い?なんか、照れるなぁ。

【望】今日はとっても楽しかったよ。また今度誘ってくれよな。
【小波】ああ、また連絡するよ。
【望】それじゃ、帰ろうぜ。

・うちに帰って

【望】ただいまー。
【母】おかえり。早かったのねぇ。
【望】は?
【母】だって、男の子とデートだったんでしょう?
【望】なにいってんのよ、そんなんじゃないわよ!
【母】(照れちゃって…可愛いわねぇ。)

【望】(あいつったら、水着が可愛いだって…。)
  (なんか、こんなこと言われたのって初めてだなぁ。)
  (なんか、うれしいなぁ。)
  (今度会う時はおしゃれでもして行ってみようかな…。)
  (あいつって、なかなか良い奴かもしんないな。)
  (こんど、どっか誘ってみよっかな。)

【父】なあ、どうだったんだろうなぁ。
【母】うまくいったんじゃないの?まんざらでもなかったみたいだし。
【父】そうかぁ。なんか、うれしいやら、悲しいやら…。
【母】なんか、あの子ったら昔の私そっくりね。
  あの頃もあなたがプールに私を誘って…。
【父】昔のこたぁ、いいだろ!今はあいつの問題だろ…。
【母】ふふふ…。


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