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■「1995.06.03」きらめき!体育祭

[No.0000000018]高野

【母】のぞみー、お風呂わいたわよー。入んなさーい。
【望】はーい。

【望】さて、今日も練習きつかったし、明日は体育祭かぁ。
  お風呂でさっぱりして、明日もがんばるぞぉ。

ザバーッ。

【望】(はぁ。明日は体育祭。練習ない分燃えるぞー。)
  (水泳部の1年で同じ赤組は、みんくんにおかよ、それと響子かぁ。)
  (男子は、え〜と、誰だったかな、みんくんが言ってたけど…。)
  (江田と小波…だったかな。)
  (そう言えば、あの犬かきみたいなクロールしてた奴、名前なんだっけ?)
  (今じゃ結構さまになってきたよな…。)
  ぷっ。あははは…。
  (面白い奴だよなぁ。)

【母】のぞみぃー。お父さん待ってるから早く上がんなさぁい。
【望】はーい。

・体育祭当日

ゴール!
【望】はぁー、はぁはぁはぁ。
  (ちぇー、2着かぁ。障害物競走はちょっとなぁ。)

【みんくん】はーい、望ぃ。おつかれー。惜しかったねぇ。
【望】んー。障害っていうくらいなら、途中に1000m位のスイム
  入れて欲しいな。
【みんくん】ぶー。トライアスロンじゃぁないんだよ、のぞみくん。
  誰もあんたに勝ってくださいってセッティングしないと思うよ。
【望】そりゃそーだ。あはは。
  おっ。次始まるよ。二人三脚か。水泳部、誰が出てんの?
【みんくん】ほら、小波くん。詩織とペア組んでる。
【望】ふーん。詩織ってあの…バスケ部の?
【みんくん】そうそう。水泳の清川、バスケの藤崎って有名だもんね。
  小波くんと幼なじみなんだって。
【望】へー、そう。
【みんくん】「へー、そう。」なぁーんてぇ。ホントは気になるんじゃない?
  二人三脚って、こー、後ろから抱えるようになるしね。
【望】な、何言ってんだか。
  みんくんねぇ、いくら中学の頃からキューピッドやってきたからって、
  何でもくっつけりゃいいってもんじゃないぜ。
  大体、あんな25mしか泳げない奴を…。
【みんくん】あっ、スタートだよ。
  がんばれー、詩織ぃ!小波くーん!ほらぁ、望もおーえんしなきゃ。
【望】(ったく)
  はいはい。小波ー!ふぁいっとー!
【みんくん】あっ、気がついた。こっちに手振ってる。
  小波くんってわかりやすいタイプだよねぇ。くすくす。
【望】(なんつー言われようだか。おっ、スタートだ。)
  がんばれよー!
  (結構早いじゃない。お、お、お、おっー。1着だ。)
  やたー!いいぞー、小波!
【みんくん】小波くーん!バッチだよー!

・体育祭が終わって、清川家

【望】ただいまー。
【母】あら、おかえりなさい。どーだった、体育祭。
【望】んー、ふふふ。ばっちり。優勝だよ。
【母】そぉ。がんばったじゃない。で、MVPは?
【望】それがねー、残念ながら…。
【母】そう。でも、がんばったんだから…。さ、お風呂入んなさい。
【望】そうね。そうする。お風呂にしーましょ。

ザバーッ。

【望】ふー。気持ちいい。今日はなかなかだったな。優勝できたし。
  部のみんなもがんばったし。
  ……。
  小波、がんばってたなぁ。
  部活以外でがんばってる姿って初めて見たな。
  100m走も、騎馬戦も、二人三脚…。

【望】あいつ、嬉しそうだったな。藤崎さんと二人で、笑顔で…。
  そりゃ藤崎さんは1学年のMVPとったし、女の私から見ても
  美人だと思うけど。
  男の子って、やっぱりああいう美人のかわいい子が好みなのかなぁ。
  私だって、も少し髪のばして。にこっ、なんて笑えば……。

ザバーッ。

【望】私ってば、なに考えてんだろ。
【母】のぞみぃー。お父さん待ってるから早く上がんなさぁい。
【望】は、はーい。


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