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■「1995.05.07」きらめき!水泳部

[No.0000000006]馬渕

・学校の授業

【望】はぁ…何か、憂鬱だなぁ。
  折角推薦入学できたのに、授業受けなきゃいけけないなんて…。
【教師】それじゃあ、次、清川。
【望】は、はい。あの、え〜と…。
【教師】なんだ、清川、聞いてなかったのか?
【望】あの、はい…。
【教師】だめだぞ、水泳で忙しくても、ちゃんと勉強はしないと。
【望】はい、すみません…。
  (やっぱり憂鬱ね。この学校ったらレベルが高いんだから…。)

・放課後

【望】あ〜、やっと授業が終った!さあ、部活部活!
  (いよいよ今日から練習試合に向けて強化練習ね。)
  (みんなついてこれんのかなぁ。)

【小波】今日から水泳部に入部した小波駒人です。よろしくお願いしま〜す。

【望】また新入生だね。ついてこれんのかなあ。うちの練習厳しいし。
【みんくん】なにいってんのよ。あんたの練習が特別きついだけよ。
【望】あんなんで?
【みんくん】ぶっ!あれできつくないの?
【望】何いってんのよ。スイミングスクールの強化合宿なんかやったら
  あなた、死ぬよ。
  なんたって、水から上がるのって、昼ご飯の時だけなんだから。
【みんくん】あんたって…つくづくすごい人ねぇ。
【顧問】なにだべってんだ!ちゃんと練習しろ!
  清川!おまえはまだノルマが5000m残ってんだぞ!
【望】はいっ!すみません!はぁ…。

・更にその一週間後

【顧問】どうした清川、最近タイムが伸び悩んでるぞ。
【望】はい、すみません…。
【顧問】別にあやまらんでもいいがな。どうも、最近フォームがバラバラだな。
  まあ、いい。ちょっと気分を変えて、ロードワークでもして来い。
【望】はい。
  (そうなんだよね。この学校に来てから、なんか、伸びが無いんだよな。)
  (スポーツ推薦ってこういう時プレッシャーだな…。)
  (もっと気楽に水泳したいのに…。)
  (あ、あれって、新入生たちだね。)

【小波】うちの学校って、スポーツ推薦で来た凄い選手がいるんだよねぇ。
  清川望っていったっけ?
【友人】そうそう。なんか、中学生の、日本記録持ってるらしいよ。
【小波】ふーん。凄いやつは凄いんだなぁ。

【望】(なーにをのんきな事を…期待される身にもなってよ…。)
  (やっぱり、あんな風に、水泳を楽しんでできたら最高だろうなぁ。)

【小波】俺ってさあ、高校入ってから水泳始めたんだけどさ、清川さんに
  追い付けるかな?
【友人】なーにを馬鹿な事いってんだよ。ラベルが違うって。
【小波】くっだらんことを。見てろよ、今に清川さんに肩を並べてやるからな!
【友人】はいはい。まあ、がんばってみれば?
  でも、おまえ、25mしか泳げないんじゃなかったっけ?
【小波】う、うるさい!それを克服するために水泳部に入ったんだからな!
  まあ、見てな。今に俺を敬語で呼ばせて見せるよ。

バシャーン!ザバザバ…

【望】な、なにあの泳ぎ。溺れてるみたい。
  なんか、全然楽しそうじゃないなあ。
  なんか、必死に泳いでるって感じね。

【望】…でも、私も昔、あんな風だったっけ…必死で泳いで…。
  でも何でやってたんだっけ。
  そうねぇ、あの頃は人より早く泳ぎたいだけだったなぁ。
  でも、前に人がいないのって気持良いし、結局好きで泳いでんのよねぇ。
  そっか、私も基本っからやり直してみようかな。

【望】あの新入生、面白いやつだったな。なんていったっけ。覚えてないけど。
  あれで、ほんとに選手になるなんて。スッゴイほらふきだな。
  まあ、合宿までに辞めなきゃいいけど。


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