ピアノ池改修工事における生き物への配慮についての意見書 |
吹田市長 阪口 善雄 様 | す環会第21号 1999.12.24 | |
すいた市民環境会議 |
意 見
書
(ピアノ池改修工事における生き物への配慮について)
吹田市藤白台にある藤白公園の池(以下ピアノ池)について、生き物の 観点からの意見を以下のとおり述べるとともに、公園整備について留意 していただきたいことを記します。 ピアノ池は、古くからのため池に手を加え、千里ニュータウン造成時に 調整池として作られた池ですが、30年もの期間を経て土砂が堆積して きました。 その結果、ヒメガマやヨシなどの水辺の植物が生育し、カワセミやバン などの水鳥や、タイリクバラタナゴなどの生き物が定着し、市民は水辺に は近付けないものの、自然に親しむ場として愛されています。 また、すいた市民環境会議(以下当会)の会員や自然愛好家の調査に より、多くの生き物がいることが明らかになってきました。 特にヒメガマ群落は、水遠池と並び吹田市内の最大級のもので、人が 池の近くまで行けないことが水鳥たちの生息によい条件を与えています。 また、コンクリート護岸が少ないことが水辺の植物や二枚貝類やタナゴ などの魚類にとって好都合となっています。 しかし近年、以下の問題点が指摘されています。 1 池の水深が浅くなり、ヒメガマ群落の急速な拡大が見られ、このまま移行すると、将来、湿地 となり、やがて陸地化すると推測され、水面の 面積が縮小する恐れがあります。 2 藤白台第一水路からの流入口付近では土砂が堆積し、さらに水路
から流入した 水が逆流してし まうために、水の循環が妨げられています。
3 釣り人が池の岸に立ち入ることで、水鳥を脅かしている。 以上の問題点を解決しつつ生き物と触れあえる公園にするために、以下のことを提言し、意見書 とします。 記 1 現在の水深を測定した上で、現状より水位を上げ、ヒメガマ群落の 面積を縮小させる。 2 流入口付近の堆積土砂を除去することで、水面を確保する。その際、シナサワグルミ、シダレヤナギは除去しても構わない。 3 水の循環を図るため、流入口から池の奥に水を運ぶような水路を掘削する。 4 堆積土砂を除去してできた水面の岸辺(メゾネット側)には、現地に生えてい るキショウブを数m程度の幅で移植することにより、釣りをしにくくして水鳥を脅かさないようにする。 5 工事に際しては、池全体が干上がらないように、間仕切りをするなどして
タナゴなどの魚類や二枚貝などの水生生物への影響を最小限にする。
今後も市民参画により、市民が自然と触れあえる、よりよい公園づくりのために、 ご尽力いただきますよう、よろしくお願いします。
2000年1月24日
吹田市長 阪口善雄 平素から公園緑化行政にご協力いただき、ありがとうございます。 藤白公園のピアノ池の整備につきましては、地域の方々からもご意見やご要望をいただいておりますが、今後、詳細な検討を加えてから実施設計 を行い、早期完成をめざしているところです。 整備計画に際しては、ご提言の内容も十分に尊重させていただき、貴会をはじめ市民の方々と、よりよい公園をめざして、協議を重ねながら進め てまいりますので、よろしくお願いいたします。 |