【司会】ただ今より、きらめき高等学校、卒業式を行います…。
この式が終わったら、ぷれすてに…。
ああ、早く終わって欲しい、でも、終わらないで欲しい…。
【司会】次に、スポーツ功労賞の表彰です…。
清川望さん…。
え?…あ、はっ、はい!
【会場】(どっ…。)
【友人】なにしてるのよ、のぞみくん、前へ出るのよ。
あ、そ、そか。
【司会】小波駒人くん…。
はいっ!
(う、嘘、ぷれすてと一緒に表彰?)
(そっか、インターハイに行ったから…。)
(あ、だめ。顔が赤くなっちゃう…。)
【司会】…以上の人は、表彰台に上がってください。
(表彰状を授与される)
(落ち着いて、私の心臓…。水泳で鍛えてあげたでしょ…。)
緊張してる?(ぼそ)
し、してないわよ。(ぼそ)
顔が赤いよ。
ま、前を向いて…。
【司会】最後に、校長先生からの祝辞をいただきます。
【校長】晴れ渡る青空の下、我がきらめき高等学校から、多くの…。
【みんくん】みんながもうすぐ帰って来ちゃうわ。急いで戻らないと…。
小波君の机…。あ、あった…ど、どうしよう…。
のぞみくんを裏切る事になっちゃうけど…でも…。
今まで我慢して来た気持を…やっぱり抑え切れない!
さあ、明子!勇気を出して!
ガサゴソ(机に手紙をいれようとして)
【みんくん】こ、これ…。
(あ、のぞみくん…。伝説の木の下に走って…。)
(じゃぁ、これって…。)
そっか…やっと…決心がついたってわけね…。のぞみくん…。
でも…やっぱり、最後まで確かめないと、気がすまない!
【???】え〜っと、「伝説…待って…」う〜ん、読めないな。
【みんくん】ちょ、ちょっと、誰?
【江田】おう、水野じゃないか、まだ帰らないのか?
【みんくん】(あ、涙を隠さなきゃ…。)
う、うん、ちょっとね…。
【江田】ところで、この破れた手紙は何だ?
【みんくん】な、何でもないわよ。
【江田】…。
ふ〜ん。何か、ラブレターみたいに見えるけどな。
【みんくん】そ、そんなことないよ。第一、なんで私が…。
【江田】あれ?俺は、水野が書いたなんて言ってないけどな。
【みんくん】あ…。
【江田】…。
【みんくん】い、いいじゃない。そんなこと…。
それより、返してよ、それ。
【江田】嫌だ…と言ったら?
【みんくん】お、怒るわよ!
ねぇ、お願いだから、意地悪をしないで。
今は…一人になりたい気分なの。だから…。
【江田】何かあったのか?
【みんくん】ば、馬鹿!あなたなんかと関係ないわよ!
【江田】ま、待てよ、水野!
悪かったよ。ごめん。意地悪するつもりじゃなかったんだよ。
【みんくん】…。
【江田】あのさ、この手紙…。
せっかく水野が心を込めて書いた物なんだろ?
破いて捨てられちゃうなんて、可哀想だよ。
【みんくん】…。
【江田】あ、あの、俺じゃ駄目か?…この手紙。
【みんくん】え…?
【江田】実は俺、以前から水野のこと…その…。見てたんだ。
水野って、いつも誰かのことを応援してるだろ。
だから、今度は、俺、俺が水野のことを…。
【みんくん】…。
【江田】だ、駄目か?
【みんくん】ありがとう…。
でも、今ここで優しさに流されちゃうと、あとで自分の気持ちが
判らなくなると思うの。
だから、すぐにはお返事出来ないわ…。
【江田】いいよ。水野が落ち着くまで、ずっと待ってるから…。
【みんくん】ありがとう…。
【江田】じゃぁ、帰るか…。
【みんくん】ちょっと待って…。
【江田】ん?
どんっ
【みんくん】…何も言わないで。
今だけ…泣かせて。
【江田】…ああ、いいぜ。
【みんくん】うっ…ひっく…。
【江田】み、水野…さん…。
【みんくん】(のぞみくん、小波君と幸せになるんだよ…。)