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■「1997.02.14」だいすき!バレンタイン

[No.0000000004]新里

・バレンタイン前日

【望】あ、明日はバレンタイン…。
  材料は買ってきたけど、どうしよう、今からドキドキしてくるわ。
  手作りのチョコなんて、がらじゃないって笑われないかな。
  やっぱり、ちゃんとしたのを買ってくれば良かった。
  でも、去年のバレンタインは義理だと思われちゃったかも知れないし、
  やっぱり手作りのチョコをプレゼントしないと、がさつな女の子と
  思われちゃうかも…。
  チョコレートってどうやって溶かすんだろ。
  (本も買ってきたらしい)

【望】このチョコレートを、型に流し込めばいいんだな。
  あっ、こ、こぼしちゃった。
  あちゃー、どうしよう…。少し小さくなっちゃうかな。
  ああもう、なんでこんなデコボコになるんだよ…。
  こんなことなら、お母さんの料理の手伝いもするんだったな。
  ああ、こんなんじゃ笑われちゃうよ…。
  (なんか泣きべそが入ったけど取りあえず完成…。)

【望】ちょ、ちょっとかっこ悪いけど、気持ちはこもってるよな。
  どの包装紙で包もうかな…。
  あ、あんまり可愛い包装紙で包むのも、恥ずかしいな…。
  でも、可愛い私も…見て欲しいし。
  や、やっぱ、がらじゃないな。
  (チョコを包みながら照れる)

【望】ああっ、またドキドキしてきちゃった。
  明日、ちゃんと渡せるかしら。
  考えただけで、顔が熱くなっちゃう…。
  なんて言って渡そうかしら。
  (などと言ってチョコを抱きしめる…。)

【母】望、あんたいつまでそうしてるつもり?…早く寝なさい。
【望】あ、も、もう出来たから、片付けて寝ることろ。
  お母さんも、もう休んで。
【母】それにしても、望が男の子を好きになるなんてねぇ…。
【望】い、いいじゃない。早く寝ちゃってよ、もう。

・バレンタインデー

【望】私、不器用だから、上手にできなかったけど、これ…。
【小波】チョコレートだね。ありがとう。嬉しいよ。
【望】本当に、上手じゃないから、見て笑わないでよ。
【小波】そんな、一生懸命作ってくれたんだろう。絶対笑わないよ。
【望】それならいいけど。それじゃ、絶対食べてよ。
【小波】はいはい。残さず食べるよ。

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