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■「1996.12.24」ときめき!クリスマス

[No.0000000004]新里

【伊集院】皆さん。我が伊集院家が誇る、クリスマスパーティーにようこそ。
  日頃の現実を忘れて、今日は大いに楽しんで行ってください。

【望】あなたも招待されてたんだ。
【小波】清川さんもいたのか。
【望】私だって、パーティーに出てもいいだろ?
【小波】い、いや、悪いとは言ってないよ…。
  ところで、その服、まだ持ってたんだ。嬉しいよ。
【望】え、覚えてくれてたの?
【小波】当たり前だよ。俺が選んだ服だからね。
  清川さん、とても可愛いね。
【望】ば、馬鹿。…照れるようなこと言うなよ。
【小波】お世辞じゃないつもりだけど…。
【望】友達がいるから、悪いけど、そろそろ行くね。
【小波】それじゃ、また。

【望】ああ、どうしよう。
  ぷれすて、この服のこと、覚えててくれたんだ…。
  せっかくパーティーで会えたのに、恥ずかしくて目が合わせられない。
  思わず、友達がいるからなんて言ってきちゃったけど…。
  もっと話がしたかったな…。

・プレゼントの交換の時間

【望】あ、どうしよう…。
  あんまり可愛いのじゃ恥ずかしいと思って、パワーリストにしたんだ…。
  あっ、うそ。ぷれすてが持ってる。
  この場で開けるの?
  …ちょ、ちょっと待って。恥ずかしい。
  スポーツ馬鹿と思われたらどうしよう…。
  ああ駄目、見てられないわ。

・帰り道。

【望】結局、私のプレゼントをどう思ってくれたんだろ。
  やっぱ、クリスマスに、パワーリストはないわよね。
  思わず外に出てきちゃったけど…。
  このプレゼント、誰のなのかしら。
ごそごそ
【望】あ、これ、この間、ぷれすてと買い物に行ったときの…。
  う、うれしい…。
  なんだか、二人だけでクリスマスパーティーみたい…。
  が、がらじゃないか。はは…。
  あ、雪が降ってきた。
  ぷれすては、誰かと一緒に帰ったのかな…。
  …。
  さ、走って帰ろっかな。
タッタッタ…

【望】ただいま。
【母】おかえり。どうだった?
【望】う、うん。楽しかったよ。
【母】そのプレゼントは…例の彼から?
【望】ち、ちが…そ、そういうのじゃなくて…。
【母】ふぅん、それにしちゃ、ずいぶんと大事そうに抱えてるわね。
【望】い、いいじゃない、そんなこと。
  それより、お父さんは?
【母】望がいないから寂しいとか言って、お酒飲んで寝ちゃったわよ。
【望】ご、ごめんなさい…。
【母】なに言ってるの。中学のときは水泳水泳で、パーティーなんかも
  ロクに行ってなかったから、そっちのほうが心配だったわよ。
【望】ありがとう、お母さん…。
【母】それじゃ、お休み…。
【望】お休みなさい…。


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