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■「1995.12.24」きらめき!クリスマス

[No.0000000001]山本

・自宅

【望】ただいまぁ。
【母】お帰り。そんなに慌ててどうしたの?
【望】今日はクリスマスイブじゃない。パーティが…。
【母】あぁ、そうだったわね。こんな時間まで何してたの?
【望】部活に決まってるでしょ!
  あの馬鹿コーチ、自分に彼女がいないからって…。
【母】ほらほら、愚痴ってないで急がないと遅れるわよ。
【望】大変!
  (ばたばたばた…。)
【母】我が娘ながら落ちつきがないんだから…。

・クリスマスパーティ会場

【伊集院】皆さん。我が伊集院家が誇る、クリスマスパーティーにようこそ。
  日頃の現実を忘れて、今日は大いに楽しんで行ってください。

【望】ひゃあ〜、ぎりぎり間にあったぁ。
  あれ、結構男の子も来てるじゃないか。
  (ぷれすてもどっかにいないかな…。)
【友人】の・ぞ・み!
【望】え?あ、ゴメン。遅くなっちゃって。
【友人】望の遅いのはいつもだから良いけど。なにきょろきょろしてたの?
【望】ん、別に。すごい家だなぁって。
【友人】そうねぇ。確かに私たちの常識からはかけ離れてるのは確かね…。
【望】でしょ?(ホッ)
【友人】で、ホントに見てたのは家?
【望】な、何でよ?(どきっ)
【友人】正直になれば、良〜い事教えて上げようと思ったんだけどなぁ…。
【望】わ、私は別に…。
【友人】あ、そ。
  せっかく小波君に望を見つけたら連れてきてくれって頼まれたのになぁ。
【望】え?
【友人】望は別にいいんだ、どうでも。
【望】ば、馬鹿。呼ばれてるなら、行かなきゃ悪いじゃないか。
【友人】真っ赤な顔して言ったって説得力無いよ?
【望】で、何処なのよ。
【友人】クリスマスツリーの下。
【望】ありがと!
  (ばたばたばた…。)
【友人】もうちょっと落ち着いて行動しなさいよね…。

・クリスマスツリーの下

【望】あ、いた。
  (でも伊集院君と話してるのか…。)
  (仕方ない。ちょっと待ってよう…。)

【伊集院】はーっはっはっはっ。では、失礼するよ。

【望】(あ、終わったみたい。)
  ぷれ…。危ない!
  (何でリンゴがぷれすてに飛んでくるのよ?)

【???】ごめんなさい。手が滑って…。それにしても、すごい反射神経ね。

【望】(あれ誰?)
  (何か親しげ…。)
  (変な気持ち。何だろうこの気分は…。)

【???】うん。待ってるわ。それじゃ…。

【望】(ぷれすて、あの子の後ろ姿を見てる…。)
  (何か話しかけにくいな…。)

【友人】望。
【望】あ…。
【友人】行かないの?
【望】うん。今日はいいよ…。
【友人】元気ないよ?何かあったの?
【望】別に何も…。何で元気ないんだろうね?
【友人】まるで振られた後みたいよ?
【望】(どきっ!!)
  (そうなのかな?)
  (この悲しいような気持ちは…、嫉妬!?)
  (ただの友達なのに…。)
【友人】プレゼント交換始まったよ、行こう。
【望】うん…。

・自宅

【望】ただいまぁ…。
【母】お帰り。どうしたの、この世の終わりみたいな顔して。
【望】ん、そんなこと無いよ。
【母】何があったか知らないけど、どうせ大したことじゃないんだから、
  忘れなさい。
【望】何にもないよ、お休み。
【母】お休み。
  (あの子があんな顔するなんて…。やっぱり女の子ね。)

・翌日

【望】(あ〜あ、今日のロードワーク、行きたく無いな…。)
  行ってきます…。

タッタッタ…

【望】(やだな。こんな気持ち…。)
  (女の子と楽しそうに話してたあいつの顔が頭から消えないよ…。)
  え〜い、情けないぞ、清川望!しゃきっとしろ!

【小波】おはよう、清川さん。
【望】あ!?え?あ、あの…。ぷ、ぷれすて…?
【小波】何だよ、そのお化けでも見たような反応は?
【望】こ、こんな所で会うとは思わなかったから…。
【小波】お礼を言おうと思ってね。
【望】お礼?
【小波】こ・れ!
【望】(あ、私の用意したジョギングシューズ…。)
【小波】早速使わせてもらってるよ。
  サイズがぴったりなんで、びっくりしたよ。
  履き心地が良いね。
【望】え、う、うん。そうでしょ?私も気に入ってるんだ。
【小波】これからは愛用するよ。じゃ、ロードワーク頑張って!
【望】あ…。
  (行っちゃった…。)
  (わざわざお礼を言いに来てくれたんだ。)
  (何だろ、ちょっとだけ気分がすっとした。)
  くすっ。よ〜し、今日も頑張るぞ!!


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