40人近くが乗車していた車両で痴漢行為を行いトイレでレイプした犯人が
「俺は満足いくまで、たっぷりと気持ちの良い思いをさせてもらったし、捕まる
ような事をしたことも十分に分かっている。（※訳解）」と反省の色を見せず語ったそうだ。

「警察に捕まっても構わない」という精神状況に人が至った時には、どのような法整備を
行ってもそれは抑止効果として足り得ない良い例だ。

「それじゃ、やっぱり何やったって安全という状況にならないし、どんな対策も無駄じゃん。」という極論になりかねない。
確かに言われてみればその通りで、つい先日も横浜の地下街で噴水を見ていた家族連れがいきなり
見知らぬ女性に子供を刺し殺されてしまう事件が発生した。このように防ぎようがない事件だってある。

しかし、ここは一つ前向きに発想を変えてみよう。安全な状態にするにはどうすればよいのか。
つまり安全とは、「程度の問題」であると考える事が現実的であるという事。
程度とは、「事件の発生の確率と事件の大きさ。」である。

では、この程度を魚屋と銀行で比較してみよう。

魚屋さんが、猫から商品を守る為の対策なんて大した事はやっていない、むしろ猫よりハエが群がる事をいやがり天井からハエ取り紙
をぶら下げてるって程度でしょう。

銀行がお金を守る為に、警備員を雇い、金庫の扉を二重三重にし、防犯カメラを設置し、建物の構造に気を遣い、
一つ一つの対策に決定的な物がなく微々たるものであったにせよ、それを組み合わせた結果、安全な状態を作り出し、
そして、それを見て顧客は安心して預金する事ができる。

殺人など悪質な犯罪に対し「死刑制度」というものが決定的な抑止力と成り得るかは確かに疑問ではあるが、
かといって、この問題から逃げるわけにはいかない。　だから、安全な状態を作り安心して暮らせる為の社会作りを目指し知恵をこらす。
例え解決策がなくとも対策を考え一つ一つの対策をパーツと捉え、そのパーツを組み合わせる事によって安全な状態を作り出すべきでは
ないだろうか。