紫金山公園全体の自然環境を考えた公園づくりの要望書
          ( 回答 )
 
                             11吹市広第1257号
                         平成12年3月15日(2000年)
                        吹田市長  阪 口 善 雄  

 時下ますますご清祥のこととお喜び申しあげます。
 また、平素は本市行政発展のためにご協力賜り、厚くお礼申し上げます。
 さて、平成12年2月14日に受け付けさせていただきました標記のご要望につきまして、次のとおり回答させていただきます。

 基本的な考え方について
 紫金山公園の整備事業は、紫金山と釈迦ヶ池周辺の自然と環境との調和を図りながら、総合的な公園として整備をすすめているものです。
 昭和62年度(1987年度)以来、毎年、国の補助金をいただき、継続して事業をすすめてまいりました。現在も用地買収を進めている状態で、施設整備につきましては、平成12年度(2000年度)以降の整備について、周辺に残る史跡や説話などを取り入れた「吹田の風土記の丘」として計画の見直しを予定しています。
 『風土記の丘計画』は、市民参画を図りながら平成12年度中にまとめてまいりたいと考えています。

A 紫金山周辺の自然焦環境の保全と整備について

A1.都市計画道路(豊中岸部線)を紫金山公園の地下を通り、トンネル式に計画変更していただきたいです。

 大阪府の施行であります都市計画道路「豊中岸部線」は、現在、春日・千里山竹園地区で事業を進めております。博物館と紫金山公園に隣接する「(仮)岸部北工区」をはじめとする未整備区間を早期に整備していただくよう要望しているところです。
 今回いただきました要望書につきましては、大阪府へ申し伝えてまいります。
 また、本市といたしましても、安全面や環境面等に配慮しながら、地域に整合した都市計画道路として整備していただくよう強く要望するとともに、大阪府に対し、公園・道路等の整備計画についての協議を依頼してまいりますので、よろしくお願い申しあげます。

A2.五月が丘側のグランドと名神高速沿いの長方形の空き地利用について

「風土記の丘」基本計画策定の中で、この場所にふさわしい施設も検討してまいります。

A3.吉志部神社西側の田圃の保全・活用

 田圃につきましては、どのように保全・活用できるのか、また、管理上の問題点の整理も含め、研究・検討してまいります。

A4.釈迦ヶ池東の田圃の保全・活用

 この件につきましては、本市産業経済室が貴団体に直接説明させていただき、ご了解をいただいておりますので、回答は略させていただきます。

A5.ビジターセンター(自然観察センター)の設置と活用

 「風土記の丘」基本計画を策定するなかで、博物館を含めた各種施設のあり方を検討する必要があると考えています。

B 紫金山の自然環境の保全と整備について

Bl.紫金山公園の里山原風景を復活させるためにも、生物の多様性を保ち、コバノミツバツツジ等の再生活動を市民と共に行うこと

 過去2か年の、ミツバツツジ再生の取組につきましては、積極的な市民参加により成果をあげていると考えています。
 平成12年度(2000年度)も実施予算の上程を予定しています。今
後、里山管理を進める方法や手法について、さらに議論を進めていく必要があると考えています。

B2.自然遷移エリア内の散策路の整備を早急にすること

 釣りや遊びのために、多くの踏み分け道ができていることは承知しています。また、自然を生かした散策路の必要性も痛感していますので、基本計画の見直しの中で、最適な整備方法を検討し、実施してまいりたいと考えています。

B3.昆虫たちのビオトープ地を確保すること

 「風土記の丘」構想と整合牲のある施設計画を検討する中で、留意していく必要があると考えています。

B4.紫金山に多数の野鳥が飛来し生息できるような工夫を

 どのような、樹木が適しているのか、今後もご意見・ご指摘を賜りますようお願い申しあげます。

B5.地層「大阪層群」の現地保存と展示利用をおこなうこと

 現在、市内で大阪層群の堆積のあり方を十分に確認できる場所は開発等によって少なくなり、紫金山公園等の非常に限られた場所でありますことから、今後は公園整備にあわせまして大阪層群の調査・研究の方法や保存の方法等を検討してまいりたいと考えております。
 また、現地の保存活用につきましては、大阪層群が比較的軟弱なものであり、安全面等も含めて維持管理には多くの課題があるものと考えられ、その方法につきましては博物館での展示等も含めて調査・検討してまいりたいと考えております。

B6.現在ある野外窯跡の展示物の整備すること

 ご指摘のございました窯跡は、「吹田34号須恵器窯跡」として発掘調査されました7世紀初頭の須恵器窯跡で、天井も一部遺存するなど、市内でも重要な生産遺跡であることが明らかとなりましたことから、昭和56年(1981年)3月に、史跡吉志部瓦窯跡内の現地に、文化庁の許可を得て移築したものでございます。窯跡の覆屋は簡易なもので、痛みがはげしいことから、改築する必要があるものと認識しております。
 今後、紫金山公園の整備計画にともない、他の吉志部瓦窯跡等の遺跡の整備とも合わせて覆屋等の整備を検討してまいりたいと考えております。

C 釈迦ヶ池の自然環境の保全と整備について

Cl.釈迦ヶ池の自然景観を取り戻すこと
C2.釈迦ヶ池に水鳥が復活する工夫が必要です
C3.釈迦ヶ池の水質改善のために、改善策をたてること


 現在、釈迦ヶ池とその護岸につきましては、釈迦ヶ池土地改良区が所有・管理しておりますので、市としてどのように対応し整備していけるのか、前向きに研究検討してまいります。

C4.博物館前の池を多種類のトンボなどが生息できるビオトープ池にすること

 当該池部分は、現在の計画では、湿性園の位置付けをしていますが、今後は、皆様のご意見を取入れた計画を検討してまいります。

 

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