Logical Graffiti for Windows 裏話



仕事に使っていてバグに気がつきました(2000/10/15、しなぷす)
 Version 1.23へのバージョンアップでは、負号演算子(-)がべき乗演算子(^)より高い優先順位で処理されていたという、比較的根本的なバグを直しました。
 実は、しばらくLogical Graffiti for Windowsを自分自身でも使っていなかったんですよ。最近になって、ディジタルフィルタの設計の仕事に使い始めて、その仕事の途中でバグに気がつきました。公開前にかなりテストをしたつもりでしたが、やっぱり使い込んでいないとバグが見つかりにくいものですね。
ようやくパラメータ表示の関数グラフが描けるようになりました(1999/08/12、しなぷす)
 実は以前から、パラメータ表示の関数のグラフを描く機能は必要だと思っていたのですが、忙しくてその機能を追加していませんでした。Version 1.20でようやくその機能を追加しました。

 パラメータ表示をサポートした直接のきっかけは、私のやっている研究で、電気回路のアドミタンスのフェーザー図(周波数をパラメータ変数とした一種のパラメータ表示関数のグラフ)を描く必要が生じたことです。やっぱり、自分が必要な機能でないと、なかなか追加する気にならないものです。
始まりは卒業研究だった(1999/02/25、しなぷす)
 Logical Graffiti for Windowsの原形のLogical GraffitiというDOS版のソフトを作ったきっかけは、私の卒業研究でした。

 1991年の当時、私は大学生で、卒業研究をしていました。ハイドロホンと呼ばれる水中のマイクロフォンで受波した超音波信号を処理する電子回路の設計が、私の卒業研究のテーマでした。その電子回路で電気フィルタを使うのですが、そのフィルタの設計のために、伝達関数と呼ばれる複素数の数式を何回も計算してグラフ化する必要がありました。

 当時は表計算ソフトのグラフ表示機能も貧弱で、対数目盛りが使えませんでしたし、第一、伝達関数のような複雑な式は、表計算ソフトでは手に負えませんでした。また、プログラムを組んで伝達関数を計算するにしても、フィルタの設計が変わって伝達関数が変更されるたびにプログラムを変更していたのでは非常に非効率でした。そこで数式を入力するだけでグラフ化できるソフトを開発したのがLogical Graffitiです。

 Logical Graffitiの数式の記述の仕方が、どことなくプログラム言語に似ているのは、卒業研究の当初、フィルタの伝達関数の計算をプログラムを組んで行っていた時のなごりです。
実は3年くらい前にLogical Graffiti for Windowsは完成していた(1999/02/25、しなぷす)
 Windowsが普及するようになって、DOS版のLogical GraffitiをWindowsに移植する作業を始めました。Team Schaftのホームページに、Logical Graffiti for Windowsの開発予告を長らく掲載していましたが、実は、3年くらい前に、Windowsへの移植はほぼ完了していました。正式に発表するのが遅くなった一番の理由は、ヘルプファイルを書くのが大変だったからです。

 Logical Graffiti for Windowsは多くの関数を持っていますので、それらの説明を書くのは大変です。また、専門的なソフトなので、ある程度使い方も複雑で、ヘルプファイルをきちんと作っておかないとユーザーに使い方を理解してもらえません。仕事が忙しくてなかなかヘルプファイルを書けないでいたら、3年も経ってしまいました。