クモハ12


70年間に渡って親しまれてきたクモハ12型。主に鶴見線の武蔵白石-大川間800mを往復し通勤客を運んでいたが、テレビなどでも「都会のレトロ電車」として度々とりあげられ、昼間は隠れた面白スポットにもなっていた。。武蔵白石から足を伸ばして鶴見まで乗り入れていた時期もあったが、老朽化に耐え切れずに、末期は朝夕のみの運転となっていた。

趣のある白熱灯の車内と板張りの床。現代の車両にはない暖かさが感じられる。

運転室

この車両は両側に運転台がついている。片側の運転台は半室構造になっている。このつくりも旧型国電独特のものである。もう片側の運転台は普通の電車と同じ全室構造であるが、いずれの運転台も狭く、乗務員さんは窮屈であろう。


最終日の'96年3月24日には鶴見駅にてさよならセレモニーも開かれ、たくさんのファンが別れを惜しんだ。左はセレモニーでの鶴見駅長の挨拶の様子。この後くす玉の紐が引かれたのだが、玉が割れずにこじ開けるというマヌケなハプニングも。


鶴見駅でさよならヘッドマークをつけ、顔をならべた2両。普段ではまず見られなかった光景である。

長年慣れ親しんだ大川駅ともこの日でお別れとなる。長い間お疲れ様でした。なお、同車は現在JR東日本大井工場にて動態保存され、余生を静かに送っている。


セレモニーの中、鶴見駅を発車するクモハ12の音(RA3.0)

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