華やかな秋田新幹線開業の裏で、ひっそり消えていったものがいくつかある。ここでは新幹線にその席を譲った特急「たざわ」、新幹線工事中に秋田と東北新幹線のアクセスを確保した特急「秋田リレー」、同じく工事期間中に田沢湖線沿線で活躍した「田沢湖線代行バス」を取り上げてみた。
田沢湖線経由で盛岡−秋田−青森を結んでいた特急で、田沢湖線休止時は暫定的に秋田−青森間で運転されていた。秋田新幹線愛称公募でも上位にランクインした愛称だが、秋田新幹線開業とともに「かもしか」に改称され、「たざわ」の愛称は消滅した。
オリジナルカラーに塗られたキハ110 |
1年限りながらヘッドマークも |
特急秋田リレー号は新鋭キハ110型気動車を使用した列車で、特急たざわ号のピンチヒッターとして北上線経由で秋田駅から東北新幹線の北上駅までを結んでいた、その名の通り「リレー特急」である。北上線と言えば駅に温泉がついている「ほっとゆだ駅」が有名であるが、普段は普通列車しか通らないこの線区も特急でにぎわった。役目を終えたリレー号の気動車であるが廃車されるようなことはなく、車体は飯山線に、内装の転換クロスシートは東海道線の2階建てグリーン車などへの転用が予定されているが、これも当初から転用先まで念頭に入れた投入だったと思われる。
秋田新幹線は山形新幹線と同様、田沢湖線の線路の幅を狭軌から標準軌に広げることで実現している。したがって改軌工事中の1年間は田沢湖線の鉄道運転は不可能になり、沿線の国道経由で代行バスが運転されていた。
盛岡駅前で発車を待つ代行バス |
待合室内の発車時刻表 |
禁無断転載