告白

その1
その2

バージョン1

『き、清川さん…。
「ごめんなさい。こんな所に、呼び出したりして。
『別に、いいよ。どうしたの?
「今日で卒業だから、あなたに、どうしても話しておきたいことがあって…。
 聞くだけでもいいから…。
『うん…。聞くよ。
「いままで水泳ばかりで、愛だの恋だの言ってる暇もなかったし、
 貧弱な男の子ばっかりで、私の興味を引く男の子もいなかったから、
 今まで気にもしてなかったけど…。
 いつごろからかな、もう覚えてないけど…。あなたの存在が、気になってきて、
 練習にも身が入らなくて…。最近では、夜も眠れないくらいに、胸がどきどきして…。
 私、男っぽいって言われ続けてきても、気にもならなかったけど、
 あなたにだけは、そう思われたくない。
 だから、あなたの前では、男言葉を話さないように注意してきたつもりだし、行動だって…。
 これでも駄目なら、水泳も捨てるわ。髪の毛だって、あなたが望むなら、いくらだって伸ばすわ。
 ご、ごめんなさい…。勝手なこと言っちゃって…。でも、断られたっていいの。
 ただ、こんな気持ちで、卒業したくないからわたしの気持ちだけ、聞いて。
『う、うん…。
「好きよ…。夜も眠れないほど…。
『…………。
「そ、そうよね。やっぱり、私なんかじゃ駄目ね。
 でも、言ってせいせいしたわ。ありがとう、聞いてくれて。
『き、清川さん。待って。
「引き止めないで。引き止められたら、期待しちゃうじゃない。
 慰めの言葉なんてかけられたら、惨めじゃない。
『清川さん。俺も好きだよ。
「えっ? 今なんて…?
『俺も、清川さんの事が好きだって言ったんだよ。
「ホ、ホントに? こんな、水泳しかとりえの無い、私で…。
『もちろんだよ。
「だ、駄目。もう、涙が止まらない…。
 お願い。あなたの胸の中で泣かせて。
『いいよ。
「嬉しい。最高に幸せ…。

バージョン2

『き、清川さん…。
「ごめんなさい。こんな所に、呼び出したりして。
『別に、いいよ。どうしたの?
「今日で卒業だから、あなたに、どうしても話しておきたいことがあって…。
 聞くだけでもいいから…。
『うん…。聞くよ。
「いままで水泳ばかりで、愛だの恋だの言ってる暇もなかったし、
 貧弱な男の子ばっかりで、私の興味を引く男の子もいなかったから、今まで気にもしてなかったけど…。
 いつごろからかな、もう覚えてないけど…。あなたの存在が、気になってきて、
 練習にも身が入らなくて…。最近では、夜も眠れないくらいに、胸がどきどきして…。
 私、男っぽいって言われ続けてきても、気にもならなかったけど、あなたにだけは、そう思われたくない。
 だから、あなたの前では、男言葉を話さないように注意してきたつもりだし、行動だって…。
 これでも駄目なら、水泳も捨てるわ。あなたの望む女に変身して見せる。
 ご、ごめんなさい…。勝手なこと言っちゃって…。でも、断られたっていいの。
 ただ、こんな気持ちで、卒業したくないからわたしの気持ちだけ、聞いて。
『う、うん…。
「好きよ…。夜も眠れないほど…。
『…………。
「そ、そうよね。やっぱり、私なんかじゃ駄目ね。
 でも、言ってせいせいしたわ。ありがとう、聞いてくれて。
『き、清川さん。待って。
「引き止めないで。引き止められたら、期待しちゃうじゃない。
 慰めの言葉なんてかけられたら、惨めじゃない。
『清川さん。俺も好きだよ。
「えっ? 今なんて…?
『俺も、清川さんの事が好きだって言ったんだよ。
「ホ、ホントに?こんな、水泳しかとりえの無い、私で…。
『もちろんだよ。
「だ、駄目。もう、涙が止まらない…。
 お願い。あなたの胸の中で泣かせて。
『いいよ。
「嬉しい。最高に幸せ…。
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