イベント

本運び「資料運び」
彫刻展「展示品に触れないで」
夏の海「無人島にて」
秋の植物園「シクラメンの花言葉」
冬のボーリング場「大暴投」
体育祭「花壇を踏まないで」
バレンタインデー

・学校 荷物運び

(あっ、あれは清川さん。重そうな本を抱えてるけど、軽々と運んでるなぁ。)

『大変そうだね。
「全然平気よ。
『俺が持ってあげるから、ほら、貸して?
「だ、大丈夫よ。そんなにやわじゃないから。
『こういう事は、男に任せておけばいいの。
「そんな事言われたの、初めて。あ、ありがとう。すっごく嬉しい…。
『いいから、いいから。よいしょ…。おおおおお。

(おおおお、重い…。よくこんなの持ってたな…。)

「そ、それじゃ、職員室まで運んでくれる?
『お、お安い…、御用だよ。

(ちょっと、お安くないかもしれない。)

「でも、男の子に荷物を持ってもらうなんて、初めてで、何か、照れるね。
『な、何言ってるの。女の子にこんな重いもの持たせられないよ。
「優しいんだね…。幸せって、こういう時感じるのかな…。
『き、清川さん。わ、悪いんだけど、早く職員室に行こうよ。
「あっ、ごめん。嬉しくて…。半分持とうか?
『いや、いい。さあ、行くぞ。


・春の美術館(彫刻展)

「よくできてるね。本当に生きてるみたい。
『本当。よくできてるよね。
「何で、できてるのかな?
『あっ、清川さん。触っちゃ駄目だって。
「そ、そう? あっ!

「と、取れちゃった。
『えっ? (そ、それはやばいぞ。)
「ど、どうしよう…。
『ほら、何やってんの。逃げるよ。

「あのままで、大丈夫かな…。
『大丈夫。誰にも見られてないから。平気平気。
「でも、良心が痛むな…。
『ばれたときは、その時はその時。俺が何とかするよ。
「何とかって、どうするの?
『そのとき考えるけど…。
「やっぱり、謝りに行ってくる。

『あっ、清川さん。しょうがない、俺も行くか。

「ありがとう。一緒に謝ってくれて。
『別にそんな事はいいよ。でも、良かったね。簡単に許してもらえて。
「本当。良かった。
『あんなに貴重なものを壊したのに、なぜだ? ま、いいか…。

「よくできてるよ。本当に生きてるみたいだもんな。
『本当。よくできてるよね。
「何でできてんだろう?
『あっ、清川さん。触っちゃ駄目だって。
「大丈夫だよ。気がちっちゃいなぁ。
『知らないよ。怒られても…。

「と、取れちゃった。
『えっ? (そ、それはやばいぞ。)
「ど、どうしよう…。
『ほら、何やってんの。逃げるよ。

「あのままにして きちゃったよ。
『大丈夫。誰にも見られてないから。平気平気。
「何か、良心が痛むよ。
『ばれたときは、その時はその時。俺が何とかするよ。
「何とかって?
『そのとき考えるけど…。
「なんか心配。やっぱり、謝りに行ってくるよ。

『あっ、清川さん。しょうがない、俺も行くか。

「ありがとう。一緒に謝ってくれて。
『別にそんな事はいいよ。でも、良かったね。簡単に許してもらえて。
「本当だね。良かった。
『あんなに貴重なものを壊したのに、なぜだ? ま、いいか…。


・夏の海

「すごいね。ここまで来れる人は、そうそういないよ。
『ありがとう。あれ、雲行きが怪しくなってきたね。
「本当だ。急に、天気が悪くなってきたね。

(一雨来そうだぞ。)

雷音

「キャーッ。
『ど、どうしたの?
「あ、あたし、雷は…。だ、駄目なの。

雷音

「キャーッ。
『大丈夫。俺がついてるから。安心して。
「う、うん。
『何にしても、ここは危ないから、岩場の影に行こう。

『雨が上がったみたいだね。大丈夫? 寒くない?
「だ、大丈夫。平気よ。でも、あの…。
「ごめんね。抱きついたりして。迷惑だったでしょう?
『いや、迷惑じゃないよ。どちらかと言うと、嬉しかったかな。
「ほ、本当に、嬉しかった?
『もちろんだよ。
「良かった…。元気づけてくれたとき、私も、嬉しかった…。
『そ、そう? 良かった…。
「さあ、また泳いで戻りましょう。


・秋の植物園

「あっ。もうシクラメンが咲いてるんだ。
『えっ? シクラメン?
「ほら、ここにいっぱい咲いてるじゃない。
『この花がそうなの?
「そうよ。
『へぇ、意外と詳しいんだね。
「私の好きな花なんだ。花言葉も、知ってるわよ。
『えっ、花言葉? 何て言うの?
「シクラメンの花言葉はね、
『花言葉は?
「内気な心、って言うの。
『内気な心? ふーん。そうなんだ。
「私の心と同じね。
『えっ、なんか言った?
「ううん。なんにも…。さあ、先に行こうよ。
『そうしよう。 (清川さんって、女の子だよなぁ。)

「あれ? もうシクラメンが咲いてるんだ。
『えっ? シクラメン?
「ほら、ここにいっぱい咲いてるだろう?
『この花がそうなの?
「そうだよ。
『へぇ、意外と詳しいんだね。
「私の好きな花なんだ。花言葉も、私にぴったりだし。
『えっ、花言葉? 何て言うの?
「シクラメンの花言葉はね、
『花言葉は?
「内気な心。
『内気な心? 誰に、ぴったりだって?
「私に決まってんだろ。傷つくなぁ、その言葉。
『ごめん、ごめん。でも、内気な心…。くくくくっ。
「別に、そう思ってくれなくてもいいけどさ。
『あっ、信じるよ。うん、清川さんは、何て内気なんだ。
「なんか引っ掛かるんだよなぁその言い方。

(清川さんが内気だってちょっと笑っちゃった。でも、花の事詳しいなぁ。)


・冬のボーリング場

(それにしても、清川さんって、力任せに投げてるな。)

「あっ。よけて!
『おおおおおおおおっ。

「あ、当たっちゃった。

『いってぇ。
「ご、ごめんなさい。大丈夫?
『だ、大丈夫だよ。
「血も出てないみたいだし、良かった…。
『気にしなくてもいいよ。ほら、続きやろうよ。
「う、うん。本当にごめんね。

(最近、女の子っぽく なってきたよな…。)

(それにしても、清川さんって、力任せに投げてるな。)

「あっ。 よけて!
『おおおおおおおおっ。

「あ、当たっちゃった。

『いってぇ。
「おっ、生き返った。悪い悪いちょっと手が滑って。
『悪いじゃないよ。顔面もろだぜ。
「つばでもつければ治るって。何なら、私がつけてあげようか?
『えっ? い、いいよ…。
「あははははは。真っ赤になって…。冗談に決まってるだろ。
『‥‥‥‥。ぜ、絶対に許さん。
「ご、ごめん。そんなに怒るなよ。ちゃんと謝るから。
『ふんだ。
「ごめんなさい。本当に悪かった。反省してるよ。
『そこまで言うなら、許してやってもいいけどさ。
「本当? じゃ続きやろうぜ。

(本当に反省してるのか?)


・体育祭

(午後からの競技を見に行くか。ちょっと近道をしていこう。)

「あっ、[あだ名]、入っちゃ駄目!

『えっ、おっとっとっと。

ドシン。

『いってー。
「[あだ名]、大丈夫?
『どうしたの、いきなり大声を出して。
「ごめんなさい。でも、そこは花壇なの。ほら。
「まだ芽は小さいけど、これから大きくなって、花を咲かせるのよ。
『そうだったんだ、ごめんね。芽を踏むところだったよ。でも、よく知ってるね。
「うん。実はこの芽の種は、私が春に蒔いたものなの。
『へーえ、全然知らなかったよ。今度から気を付けるね。
「うん、ありがとう。それじゃ、午後の競技を見に行きましょう。
『そうしよう。(清川さんって やさしいんだなぁ。)


・バレンタインデー

「がらじゃないけど、はい、チョコレート。
『あ、ありがとう。(これは義理かな…。)

「私、不器用だから、上手にできなかったけど、これ…。
『チョコレートだね。ありがとう。嬉しいよ。
「本当に、上手じゃないから、見て笑わないでよ。
『そんな、一生懸命作ってくれたんだろう。絶対笑わないよ。
「それならいいけど。それじゃ、絶対食べてよ。
『はいはい。残さず食べるよ。 

(それにしても、清川さんの手作りチョコってすごく嬉しいなぁ。)


元に戻る