「1995.04.16」動物園でデート〜藤崎詩織〜

[No.0000000001]山本

・4月16日、昼、動物園

小波  |い〜天気になって良かったよ。
詩織  |そうだね。
    |ほら駒人君、早く入りましょう。
小波  |そうだな。
詩織  |駒人君、ほらゴリラさん。
小波  |ホントだ。
    |でもなんかスケベそうな顔してるなぁ。
詩織  |うふふ、そんなこと言ったら、ゴリラさんが可哀想よ。
    |あれ、何か書いてある。
    |えと、「檻に近づかないでください、糞を投げられます」!?
小波  |詩織、危ない!!
    |べちゃ…

・4月16日、午後、動物園、水道前

    |じゃー…、じゃぶじゃぶじゃぶじゃぶ…
小波  |上着だけですんで、まだ助かったよ。
詩織  |ごめんなさい、私のせいで…。
小波  |別に詩織のせいって訳じゃ無いよ。
詩織  |でも、私が檻に近づいたりしなければ…。
小波  |いや、悪いのはあのゴリラだ。
    |今度会ったらとっちめてやる。
詩織  |くすっ。
    |じゃあ、もう一回あそこに行く?
小波  |…、いや、止めとくよ。
詩織  |私も、その方がいいと思う…。
小波  |くっくっく…。
詩織  |うふふふ…。
二人  |あははははははは…。
小波  |さて、一応においも取れたし、他を回りますか。
詩織  |うん、そうしましょう。

・4月16日、午後、帰宅途中

詩織  |今日は楽しかった。
小波  |それなりにひどい目にも遭ったけどね。
詩織  |うん、でも楽しかった。
小波  |そうだね、俺も楽しかったよ。
詩織  |また、どこかに遊びに行きたいね。
小波  |えっ?
詩織  |もう遊びには連れていってくれないの?
小波  |いや、そんなこと無いさ。
    |お姫さまの願いなら、何なりとかなえて差し上げますよ。
詩織  |やだ、私お姫さまなんかじゃないわ。
小波  |また、誘うから。
詩織  |うん、待ってる…。
    |ねぇ、駒人君。
小波  |ん?
詩織  |駒人君って好きな…。
小波  |好きな?
詩織  |好きな……。
小波  |(なんだ?)
    |(詩織は一体何が言いたいんだ?)
詩織  |好きな食べ物って何?
小波  |はぁ?
    |なんだよ、薮から棒に。
詩織  |ご、ごめんなさい、突然、変なこと聞いて…。
    |あ、あのね、次に遊びに行くときにお弁当、作って上げようと思って…。
小波  |(なんだ、そう言うことか…)
    |そうだな…。
    |鳥の唐揚げとか好きだな。
    |後、弁当は絶対おにぎりがいい!
詩織  |くすっ。
小波  |な、なんだよ、急に笑ったりして。
詩織  |だって…。
    |変なこと力説するんだもん。
小波  |「お弁当にはおにぎり」っていうのが、そんなに変か?
詩織  |ううん、そうじゃないけど。
    |でも、力説するほどのことじゃないと思う。
小波  |そうかな?
詩織  |うん。
    |でも、ちゃんとおにぎりにしとくね。
小波  |楽しみにしてるよ。
詩織  |でも、ちゃんと遊びに誘ってくれないと、食べれないんだよ。
小波  |分かってるって。
詩織  |あ、もう家の前…。
小波  |あ、もう着いたのか。
    |(くっそ〜、駅から家までなんで10km位無いんだよ!)
詩織  |じゃあ、また学校で。
小波  |うん、じゃあまた明日。

・4月16日、夜、小波の部屋

小波  |あ〜、今日は楽しかったなぁ。
    |(それにしても、詩織はやっぱ可愛いよなぁ…)
    |(あんな娘を彼女に出来たら最高だろうなぁ…)
    |(でも理想は限りなく高いんだよな)
    |ま、でも「また遊びに連れていってくれ」なんていわれちゃったし…。
    |「ボーイフレンド」位には認めてくれてるのかも…。
    |な〜んて、そんな都合のいいことは無いか。
母   |駒人、ご飯よ。
小波  |は〜い!
    |よ〜し、明日も頑張ろう!!