「1995.04.12」初デートの約束〜藤崎詩織〜

[No.0000000001]山本

・4月12日、夕方、HR教室

小波  |(そうだよな、行動しなけりゃなんにもならないんだから…)
    |し、詩織。
詩織  |あら、駒人君。
    |なぁに?
小波  |し、詩織、あ、あのさ…。
詩織  |駒人君、顔が真っ赤よ?
    |熱でもあるんじゃ…。
小波  |い、いや、大丈夫、そういうんじゃないんだ。
    |それで、あの…。
詩織  |???
    |本当にどうしたの?
    |様子が変よ。
小波  |い、いや、ホントに大丈夫だから。
    |(い、いか〜ん、話が進まないじゃないか!)
    |(これじゃ駄目だ)
    |(そうだ、面と向かって無ければちゃんと言えるかも…)
    |し、詩織、夜は家にいるよな?
詩織  |
    |そりゃ、夜はお家にいるけど?
小波  |よし、じゃ、そう言うことで。
    |すたすたすた…
詩織  |???
    |変な駒人君。

・4月12日、夜、小波の家

小波  |よし、電話するぞ〜。
    |(電話してからとちったら恥ずかしいからなぁ)
    |今度の日曜日、動物園にデートに行かないか?
    |(だめだ、「デート」ってのはやめとこう)
    |今度の日曜日、動物園に遊びに行かないか?
    |(よし、これだ!)
    |今度の日曜…、ぶつぶつ…、よし、大丈夫。
    |電話するぞ!
    |ぴぽぱぴぴぱぽ…
    |とぅるるるるるるる、とぅるるるるるるる…
詩織母 |はいもしもし、藤崎ですけれども。
小波  |今度の日曜日、動物園に遊びに行かないか?
詩織母 |はぁ?
小波  |えっ?
詩織母 |もしかして、駒人君?
小波  |お、おばさん!?
詩織母 |ぷっ、あははははは…。
    |相変わらずそそっかしいわねぇ。
    |誘うなら、ちゃんと詩織を誘って上げて頂戴。
    |それとも、こんなおばさんとデートに行きたかったの?
小波  |あ、いや、そういう訳じゃ…。
    |あ、別に行きたくないわけじゃないですが、その…。
詩織母 |いま詩織に替わりますね。
    |詩織〜、駒人君から電話!
詩織  |駒人君!?
    |どうしたの、突然。
小波  |いや、あの…。
    |(参ったなぁ、完全にタイミングを外しちゃったぞ…)
詩織母 |駒人君は詩織とデートに行きたいそうよ。
小波  |いっ!?
詩織  |お、お母さん!?
    |…、駒人君、本当なの?
小波  |あ、いや、その…。
詩織  |やっぱり嘘なのね…。
小波  |いや、一緒に遊びに行かないか?
詩織  |えっ?
小波  |こ、今度の日曜日に動物園に行かないか?
詩織  |…、他に誰か行くの?
小波  |えっ?
詩織  |他に、誰が行くの?
小波  |いや、2人で行こうかと思って…。
    |(他のヤツも誘った方が良かったかなぁ…)
詩織  |じゃあ、付き合って上げる。
小波  |えっ?
詩織  |駒人君1人じゃ、動物園に行ってもつまらないでしょ。
    |だから付き合って上げる。
小波  |そ、そうか、ありがとう。
    |じ、じゃあ朝10時に家まで迎えに行くから!
詩織  |うん、待ってるわ。
    |じゃあね。
    |がちゃ、つーつーつーつー…
小波  |やったぁ!!
    |詩織と初デートだぜぃ!!
    |着ていく服も考えないとな…。