改造に使用するパーツはUYOさんのSC88改造のページにあるものとまったく同じです。
品目 | 必要個数 | 説明 |
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TC9231N | 1 | デジタルオーディオIC |
74HC04 | 1 | 汎用IC |
74HC74 | 1 | |
TOSLINK TX | 1 | 出力用光コネクタ |
2接点スイッチ | 1 | +6dB切り替え用 |
電解コンデンサ(10μF〜33μF) | 1 | 電源安定用 |
積層セラミックコンデンサ(0.1μF) | 2個程度 | 電源安定用 |
ユニバーサル基盤 | 1 | 配置用 |
ケーブル類 | 1 | ラッピングワイヤー等 |
品目 | 必要個数 | 説明 |
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SC-88VL | 1 | 多分一番重要です |
+ドライバー | 1 | 普通の大きさのが一本あればいいです |
ハンディテスタ | 1 | ショートや配線のチェックに使います |
ドリル | 1 | 厚さ1mm程度の鉄板に5,6mmの直径の穴をあけられるもの |
リーマー | 1 | ドリルの歯によっては必要ありません |
鉄鋼用やすり | 1 | TOSLINK用の穴を整形するのに使います |
束線バンド | 10くらい | 内部の配線を固定するのに使います |
ホットボンド | 1 | TOSLINKを固定するのに使うと便利です |
電子パーツは知人に頼んで秋葉原で買ってもらいました。UYOさんのSC88改造のページにもかかれているとおり、TC9231Nは光南電気、TOSLINKは秋月電子にあったようです。ほかのパーツはその辺の電子パーツ屋で購入できるはずです。後半の工作器具はホームセンターなどでそろうと思います。
基板上側(こっちは見た目いいんですが) | 基板配線側(配線が適当で汚いです) |
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では、88の音声信号からTOSLINKへの信号を生成する基板を作成します。88VLの中身は一枚基板ですっかすかなので、十分に基板を仕込むゆとりがあります。さて使う部品も同じなら、当然回路も同じものになります。UYOさんのご好意により、SC88改造のページの回路図の転載の許可をいただけましたので、そのまま利用させてもらいます。
回路図を見る上での注意(注) | |
この配線図に記載されているICは、すべて裏返しになっています。配線は赤がVDD(+5V)、青がGND、その他の色が信号線になります。TOSLINKとスイッチの配線はそれぞれの部品によって違う可能性がありますので、部品を確認した上で配線を行ってください。なお、TOSLINKにつけるコンデンサは、TOSLINKについてきました。 |
なお、自分が買ってもらったTC9231Nは足のピッチが汎用の74HCシリーズのICと違ったため、基板に刺さらず、基板裏に両面テープで貼り付けるという情けない状態になりました。これがかっちょ悪いと思う方はピッチを変換できる下駄を使ってください。
配線図が裏返しの図になっていますので、適当に表からICをさしたら、後はひっくり返してそのまますべての配線が可能です。自分の場合はTC9231Nの配線は空中配線になったので、VDDを外側、GNDを内側に曲げてまとめることができました。なお、VDD,GNDの配線はなるべく太い配線を使用しましょう(してないけど)。
+6dB切り替えスイッチには取り付け易さを考えてレバー式のスイッチにしました(穴空けが一箇所で済むので)。また、TOSLINKのねじ取り付け用の部分は切り取ってあります。
では、変換基板を取り付けるために88VLをばらします。ひとまずガワを外しにかかります。ネジは5本。後方中央と、側面に2箇所ずつあるネジを外し、心持ち後ろに引っ張るような感じで取り外します。なお、88VLの下側に1本だけあるネジは、基板を固定しているネジの1つですからガワを外す場合には関係ありません。ガワを取り外すとすぐに基板が見えます。
写真の下側が表(操作パネル)側、上側が出力側です。大体基板の1/3位を目安に下がデジタル部、上がアナログ部に分かれています。で、目当ての配線個所は画面中央に縦長についてるPROMの上あたりになります。
PROM周辺 | DAC周辺 |
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丸のあたりにDACがあります | 矢印のLSI(μPD63200)がDACです |
μPD63200の資料はNEC EDの専用ICのページにPDFファイルで置かれています。資料を見ると、13ピンにLRCK、15ピンにDATA、16ピンにBCKをつなげればよさそうです。直接DACの足に配線しても構わないのですが、実はこの3つの信号線がきれいに引き出されていて、さらに親切なことに半田がすでに盛ってある個所があります。
上の写真(DAC周辺の写真を90度回転させています)で丸で囲んである、「C32,C33,C34」とシルク印刷されている箇所がそれです。上からBCK(C32)、DATA(C33)、LRCK(C34)となります。念のためμPD63200のピンとの接続をテスタで確認してください。なお、配線箇所とDACの間に10Ωの抵抗がありますので、テスタによっては導通チェックが落ちるかもしれません。その場合は抵抗値で判断してください。
また、そのすぐ隣にGNDも来ていますのでGND線もつなげます。GNDの配線が太くてそこには付けられない場合や、VDD線は、μPD63200のGND,VDD(VDDが4ピン、GNDが2ピン。汎用のICと違うので注意)とショートしている箇所をテスタなどで探して接続しましょう。うちではVDDは波形ROMのそばのICの1番ピンから持ってきました。
データ線を配線した状態 | VDDはここから |
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配線が終わったら、念のためVDD,GNDのショートをチェックします。問題がなければ88VLにACアダプタをつなぎ、電源を入れてみます。問題なく88VLが起動したらTOSLINKに光ケーブルを接続しましょう。その先はアンプなり、なんなりに接続します。ただし、88VLの出力は32KHzなので、それに対応した機器が必要です。ここではYAMAHAのYMF744を使った光入力つきのサウンドカードを接続しました。ちゃんと信号が出ていたら、下のように信号を認識してくれます。なお、この場合音を出す必要はありません。デジタル信号が来ているかわからない機器につないだ場合は、何かしら音を出してみましょう。
ここでちゃんと信号がきていない場合は、もう一度配線のチェックを行ってください。
ちゃんと動きましたか?動作したら、次にコネクタを取り付けるためにケースを加工します。